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磁石の吸着力のお話(4)

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鉄板から距離がある磁石の吸引力は?

鉄板との間に他の物質がある場合は?

磁石同士の吸着力(吸引力)は?

(1)鉄板から離れた磁石の吸引力について

鉄板に吸着した磁石の力は、先月号までのお話で、”鉄板への吸着力は表面磁束密度の2乗および鉄板との接触面積に比例する”でしたが、同じように離れた磁石の吸引力も”鉄板への吸引力は空間磁束密度の2乗および鉄板に相対する磁石の面積に比例する”と考えてよいでしょう。

ここで空間磁束密度とは、磁石から離れて鉄板が置かれた位置での磁束密度のことです。

但し、同時に”鉄板への吸引力は距離の2乗に反比例する”という関係があり、話は少し複雑になります。

*但し、2乗反比例則は微小磁極に関する“クーロンの法則”によるもので、実際の磁石は2乗反比例則のとおりにはなりません。形状によって大きく異なってきます。

空間磁束密度は下図のように、ガウスメーターで測定できますが、磁石からの距離が遠くなるほどその大きさは小さくなります。

また、磁石の残留磁束密度の値や磁石の形状によっても異なってきます。したがって、吸引力の大きさも残留磁束密度、磁石形状によって異なり、距離が離れるほど弱くなります。

(ガウスメーターが無い場合でも、NeoMagホームページの計算ツールのような近似計算で、ある程度の予測が可能です。)

磁石の吸着力のお話-画像6

例えば、Φ20x10mmのネオジム磁石(Neo48)の吸引力、空間磁束密度と鉄板からの距離の関係をグラフにしてみますと、次のようになります。距離X=0の値が表面磁束密度および吸着力になります。

磁石の吸着力のお話-画像7

(2)磁石と鉄板との間の物質の影響について

一口で言えば、磁石に全く吸着しない物質が間に入っても、空気と同じように磁力線を通しますから前項の話がそのまま使えます。例えば、プラスチック、ガラス、ゴム、紙、木などがそうです。

また、アルミニウム、30系ステンレスのように磁石に吸着しない(非磁性)金属も同様です。

反対に、磁石に吸着する物質が間に入ると磁力線を遮断(吸収)しますので、鉄板に対する吸引力が低下するか全く吸引しなくなります。但し、磁性体であっても非常に薄い物質であれば、磁力線のほとんどは通過しますので、注意が必要です。ネオジム磁石は磁性金属のニッケル(めっき)で覆われていますが、10ミクロン程度の薄い膜のため磁石の性能にはあまり影響しません。

(3)磁石同士の吸引(吸着)力

着磁した1組の同形状の磁石がそれぞれN極、S極で対向している場合は、対向相手が鉄板の場合の距離をおよそ1/2に狭めた場合と同等の空間(表面)磁束密度が得られますので、非常に強い吸引(吸着)力が生じます。

同極対向の反発力については、それぞれの磁石の空間磁束密度に比例しますが、残念ながら種々のファクターが関連してきますので、明確な数値定義は困難ではありますが、吸引力の50~70%程度と考えていただければよろしいでしょう。