希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

ネオジム磁石の中のネオジムのお話

今回はネオジム磁石の主成分であるネオジムについてのお話です。

ネオジムとはどのような“物質”?

磁石の中にネオジムはどのくらい入っているの?

ネオジムの磁石の中での役割は何?

ネオジムが含まれている鉱石はどんな鉱石?

世界中にどの程度存在しているの?

最近、日本の研究者が発見した話題の鉱石とは何?

1、ネオジムの歴史

ネオジム(Neodymium)は元素記号がNdで、周期表の60番目の元素です。1885年に発見され、ラテン語の“新しい”という意味の“Neos”とギリシャ語の“双子”を意味する“Didymos”を合成して命名されました。ネオジム金属そのものは銀白色で、密度は68g/cm3となります。1984年に日本の佐川博士がネオジム磁石を発明する以前は、ネオジムの酸化物が、蛍光灯の白色を出す蛍光体の添加物やレーザー素子等のわずかな用途があっただけでした。

2、磁石の成分

NeoMagホームページにもデータを掲載してありますが、ネオジム磁石の重量成分の約1/3がネオジム(Nd)で、残りの2/3のほとんどが皆さんおなじみの鉄(Fe)です。その他大切な成分として、ホウ素(B)等がわずかに入っています。

3、磁石の中のネオジムの役割

ネオジム磁石は、基本的にはネオジム-鉄-ホウ素(Nd-Fe-B)の原子が結びついてできている結晶の集合です。結晶の最小単位の大きさは、0.88nm(ナノメータ)で1mmの百万分の1以下となり、ネオジム原子2個と鉄原子14個とホウ素原子1個の正方晶という形で、本来鉄が持っている大きな磁力を、ホウ素と共に、効率良く引き出して保持するようアシストをいて、これによって強力な磁力を発生できるのです。ちなみに、この大きさはウィルス1個の百分の1程度になります。さらに詳しい磁性理論を知りたい方は、磁性の専門書で調べてみるのもおもしろいと思います。

ネオジム磁石の中のネオジムのお話-画像1

4、ネオジムの存在量と原料鉱石

ネオジムの原料鉱石は、同じ希土類(レアアース)元素仲間のセリウム、ランタン、サマリウム等と共に、希土類鉱石であるモナザイト、バストネサイト、イオン吸着鉱等です。これらの鉱石は、世界各地で年間10万トン以上産出され、最も埋蔵量、産出量共に多い国が中国です。ネオジムは鉱石によって異なりますが、これらの鉱石中に約12~30%含有されています。次の図は、希土類元素の含有量と産出国を比較したものです。

ネオジム磁石の中のネオジムのお話-画像2

上図のように、ネオジムの原料は現在中国での供給がほとんどを占めています。また、ネオジム磁石がハイブリッドカーやHDD、DVD、携帯電話等に大量に使用されるにつれ、原料ネオジムが大幅に値上がりしていますが、NeoMagはお客様のご要望に応えるために、保有する様々なノウハウを駆使して、お求め安い価格を維持するよう努力をしています。