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永久磁石の用途・応用シリーズ(5)

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【ハイブリッドカー(HEV)への応用例-2】

最近の報道によると、日本のメーカーが圧倒的にリードしてきたハイブリッドカーも、GM等の海外メーカーも社運をかけて開発を急いでいるようです。特に、コンセントから充電できるプラグイン・ハイブリッドカーが、プリウスのようなエンジン併用の従来型ハイブリッドシステムの次世代型として注目され始めていますので、電気動力への依存度が大きくなり、電池を含めモーター側の技術が益々重要になりつつあります。さて、前回はシステムの全体像をお話しましたが、今回はプリウスの作動状態と動力の伝達がどのように行われているかということと、モーターについてのお話をいたします。

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発進時や、ごく低速で走行するか、ゆるやかな坂を下る時などエンジンの効率の悪い領域ではエンジンを停止してモーターだけで走行する。

エンジンとモーターの両方が車輪を駆動、エンジンの動力は動力分割機構で2つに分けられ、一方は車輪を直接駆動する(B)。もう一方は発電機を駆動して発電し、その電力はモーターに供給され、モーターも車輪を駆動する(C)。この場合エンジンはできるだけ高トルク域で運転され、燃費を可能な限り向上させている

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エンジンは最高回転に維持され、最高出力を発揮し、バッテリーからもパワーが供給される(A)。これにより同一排気量の従来のエンジン車より10%高い加速性能を得ている。

減速や制動時にはエンジンが空回りまたは停止し、車輪により回転させられているモーターが発電機となってバッテリーを充電する(A)。これにより車両の運動エネルギーの一部が回収され(回生発電)、回生したエネルギーはバッテリーに蓄えられ、燃費を向上させている。また車両が停止した時は、エンジンを自動的に停止する。

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バッテリー充電が必要な場合は、通常走行時より多めに発電機を駆動させて余剰電力をバッテリーに充電する(D)。

プリウスのモーターについて

プリウスに搭載しているモーターは、小型・高性能で大量生産可能な永久磁石式(PM)モーターである。もちろん永久磁石はネオジム磁石であり、高耐熱グレードを採用しています。下図のように磁石は回転するローターに埋め込まれたタイプ(IPM)で、ステータコイルを励磁することで、磁石の吸引・反発力(磁石トルク)を利用して回転する力と、磁石と磁石の間にコアの鉄部を設けて突極部を作り、この突極部分の鉄をステータコイルで作られる磁界で吸引する力(リラクタンストルク)を利用できる構造としています。

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プリウスのハイブリッドシステムは発売当初のTHSから2003年には高性能化したTHS-II に進化し、それに伴ってモーター性能も大幅に改良されています。近い将来のプラグインハイブリッド車やEV車のモーターも、THS技術の蓄積の上に経って世界をリードしてゆくと思われます。

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