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モータの基礎と永久磁石シリーズ(1)
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【はじめに】
19世紀前半に初期のモータが発明されてから、その後次々に改良が重ねられて、今日の実用的な各種モータへと発展してきました。私たちの身の回りの冷蔵庫、エアコンなどの日常生活品から携帯電話、パソコンなどの情報機器、さらに工場、自動車、電車など、今やモータのない生活は成り立たないのが現代社会です。今月からのNeoMag通信はこのモータ技術に焦点を当て、永久磁石のかかわりも交えてシリーズでお送りいたします。なお、本稿の“モータ”の定義については電気エネルギーを利用した“電動機”といたします。この分野のご専門の読者の方には物足りない内容となるかもしれませんが、ご容赦いただきたいと存じます。
1.モータと発電機の歴史
1832年、フランスのピクシーが手まわし発電機を発明しました。同年ファラデーも1824年アラゴによって発見されたアラゴの円板を改良して発電機を作りましたが、コイルが回転するもので、実験的な装置でした。ピクシーの手まわし発電機はU字形の磁石を回転させ、コイルを固定としたもので、実用が目的でした。
一方、モータ(電動機)は1830年代にロシアのヤコビ等によってさまざまな設計の直流モータが発明されましたが、いずれも電磁石によるもので、当時は電池を使うしかなかったため実用化まで到りませんでした。したがって、モータより発電機の方が先に発達し、ピクシーの後、1866年にはドイツのジーメンスの自励式自動直流発電機、1870年のベルギーのグラムによる環状電機子を備えた発電機により、実用化が加速されてゆきました。
モータの実用化は、1882年イギリスのゴードンの2相交流発電機により、交流の送電が計画され、1888年アメリカのニコラ・テスラの2相交流電動機の発明によって始まり、ウェスチングハウス社の本格的な交流送電とテスラの交流モータによって大規模な産業への利用が始まったのです。この経緯の中で、かの有名なエジソンはエジソン電灯会社が供給する直流送電にこだわるあまり、時代に乗り遅れたと言われています。また、実用的な永久磁石型直流モータは、近代磁石が発明された1900年代になってから登場したもので、したがって永久磁石型モータの歴史はそんなに古くはないということです。なお、1885年頃イギリスのジョン・フレミングが発表したフレミングの法則は発電機(右手の法則)とモータ(左手の法則)の電磁誘導の原理をわかりやすく説明したものとして、今でも理科・科学教育の場面で盛んに利用されています。
2.モータの種類
モータの分類の仕方には色々な方法がありますが、一般的には、電源の種類、駆動原理、内部構造、形状・外観、用途などによって分類します。下図はその分類例で、DC(直流)モータ群およびAC(交流)モータ群に大きく分けることができます。永久磁石を使用するモータはDCモータ、ACモータのどちらにもあります。下図では、四角で囲んでいるモータに永久磁石が使われています。
3.モータの種別用途
以下の各表は、上記各種モータの用途について、皆様の身近な自動車電装品、家電製品についてまとめたものです。
以上のように、モータには種々のタイプがあり、その用途はモータ技術の進歩と共に、それぞれのモータ特性やコストパフォーマンスに合わせて益々拡大してきています。1台の機器の中に、異なったタイプの複数のモータが使われている例も数多くあります。その中でも特に永久磁石を利用したタイプはネオジム磁石などの高性能磁石の出現も相まって、省エネ環境機器の動力源として大きく成長してきています。
次回からは、各種モータについてその原理、構造、特徴などについて解説する予定です。
(参考資料)
「小型モータのすべてがわかる」 見城尚志、佐渡友茂、木村 玄 著 (技術評論社)
「自動車用モータ技術」 堀洋一、寺谷 達矢、正木良三 著 (日刊工業新聞社)
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