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エネルギー資源の現状と将来(7)<天然ガス(3)−その1>
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前6回にわたりエネルギー資源としての“石炭”、“石油(原油)”について勉強してまいりました。今月からは同様に世界の重要資源の一つである“天然ガス”について調べてゆきたいと思います。
天然ガスは今シリーズの初回に掲載いたしました下図のデータのように、石油、石炭についで世界の使用量が多いエネルギー資源です。特に日本では、2011年3月11日の東日本大震災以降、原子力発電所が停止しているため、現在では天然ガス(LNG)使用の火力発電が全体の50%近くにも達しています。
今後原子力発電がどのように推移するかは何とも言えませんが、少なくとも天然ガスエネルギーの将来動向は日本経済にとって大変重要な要素の一つとなってきています。
3.天然ガス(Natural Gas)
(3-1)天然ガスの定義と成分
天然ガス(Natural Gas)とは地球の地殻内に埋蔵されている可燃性ガスで石炭や石油と同じ化石燃料資源のひとつです。天然ガスはガス田に気体状態で埋蔵されている場合と、油田に埋蔵されている原油に溶けている場合があり、現代で汎用されている採掘技術や生産施設により商業的に産出される地表状態で気体である物質を在来型ガスと総称しています。
天然ガスの性状は原産地によって大きく異なりますが、主成分はメタン(CH4であり、他にエタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどが少量含まれ、この他に二酸化炭素(CO2)、硫化水素(H2S)、窒素(N2)、酸素(O2)などの不純物を含んでいます。
天然ガス資源の場合、中でもメタンの供給源は次図に示すように多様で、もし技術革新が起こり、経済的に採取できるようになれば、膨大なメタン資源となります。これらを非在来型ガス資源と総称し、(1)タイトサンドガス、(2)コールベッドメタン、(3)シェールガス、(4)地圧水溶性ガス、(5)メタンハイドレート、(6)地球深層ガス、(7)バイオマスガス、(8)沼沢池ガス等があります。(1)〜(3)は米国において商業規模の生産が進行しており2011 年のガス総生産量約6500 億立方メートルの67%を占めています。これらの資源量の世界的分布は未知ですが、新しいガス資源として注目されています。これらの非在来型資源については、別稿で詳細にお話をさせていただきます。
(3-2)液化天然ガス・LNG(都市ガス)と液化石油ガス・LPG(プロパンガス)の違い
ガス燃料としてLNGLPGを一括りに捉えられることがありますが、下記表の通り、それぞれ製造方法や成分、使用方法が異なります。LNGは「Liquefied Natural Gas(液化天然ガス)」の略称で、天然ガスを液化した燃料です。一方、LPG は「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」の略で、天然ガスの副産物としても一部つくられますが、主として石油ガスを液化してつくられます。 世界のガス生産の主流はLNG を含む天然ガスであり、石油ガス(LPG)の生産規模はそれほど大きくありません。 また、LPG は石油製品の副生燃料として生産されるケースも多く、統計資料などでは石油製品の一つとして表記されることもあります。
液化天然ガス(LNG)は、天然ガスをマイナス-62℃に冷却し液体にしたもので、LPGと異なり常圧で液体です。体積は気体の時の600分の1に小さくなり、輸送・貯蔵を目的として液化された天然ガスの新しい姿です。LNGの比重は0.425と軽く、発熱量は1万3000キロカロリー/?です。
天然ガスを液化する際には前段として脱硫・脱水等をおこなうため、LNGを燃料として燃焼させた時には硫黄酸化物や窒素酸化物の排出がまったくないという点が大きな利点です。
一方LPGは常温、常圧下では気体ですが、比較的低い加圧や冷却で容易に液化し、その比重は0.508〜0.584で平均0.55と軽い液体です。発熱量は平均的に1万2000 キロカロリー/?です。爆発範囲は2〜9.5%と少量の漏洩でも爆発の可能性が高いため取り扱いに注意を要します。
LPGは通常、鋼製加圧ボンベに充填してプロパンガスとして販売され、移送、取り扱いの便利さから都市ガスの無い地域の家庭用燃料、工業用燃料、タクシー燃料、都市ガス熱量調整用等に需要が高まっています。
(3-3)天然ガス資源の分布
石油鉱業連盟が発表した世界の石油資源評価報告書(2012 年)によれば、2010年末の世界の天然ガス確認埋蔵量は6624 兆立方フィートです。
天然ガス埋蔵量の豊富な国は、ロシア:680兆立方フィート(25.4%)、イラン:1046兆立方フィート(15.8%)とカタール896兆立方フィート(13.5%)の3力国で、世界の埋蔵量の54.7%に達します。この3カ国を含む天然ガスをたくさん持つ国トップ10の埋蔵量は実に世界の77%に及び、20位のクウェートまでの合計は世界の約90%です。このように天然ガスの埋蔵量は特定の国に偏在しています。
天然ガス資源を豊富に保有する上位20 カ国の地域別分布を見ると、中東6力国は2620兆立方フィートの埋蔵量を保有し、世界の40%を占め、旧ソ連4カ国は埋蔵量2095兆立方フィートで世界の32%となり、この2地域で世界の埋蔵量の72%に達します。アジア・太平洋地域の主要な産ガス国は、オーストラリア(12位)、中国(13位)、インドネシア(14位)、マレーシア(16位)、の4カ国で、世界の6%、406兆立方フィートを保有しています。
世界最大のノースフィールドガス田は、カタールの北部にあり、1976 年に発見された超巨大ガス田で、900兆立方フィートの埋蔵量があります。また、イランのサウスーパースガス田(世界第2位)はノースフィールドガス田の北延長構造で、地質的には地下でつながっています。この2つのガス田で世界の20%を占めます。
ロシアは1960 年代に北極圏のチュメニで巨大ガス田を発見しました。天然ガス資源の豊かな旧ソ連諸国は、大消費国ヨーロッパヘ数千キロに及ぶ長距離ガスパイプラインで大量のガスを送っています。また、中東などの産ガス国は超大型の液化天然ガス処理基地を建設して専用LNG船で日本や韓国に大量のガスを供給しています。
(3-4)日本の天然ガス輸入元
産出国が中東に偏る石油とは異なり、天然ガスは世界各地に広く存在しているため、供給安定性に優れています。日本の原油輸入の約87%を中東地域の国々が占めるのに対し、天然ガスは東南アジアやオーストラリアなど中東以外の地域からもバランスよく輸入しています。
なお、天然ガスの生産地は海外だけではありません。 新潟県、秋田県、北海道などにもガス田は存在し、天然ガスが産出されています。これらの地域で生産された天然ガスは、パイプラインやコンテナ、ローリーにより周辺の地域へ供給されています。ただし、国内産の天然ガスは国内天然ガス消費量の2パーセント程度を占めているに過ぎません。
以上、今月は天然ガスの基本成分、世界と日本の利用状況、主な産出国とその埋蔵量などについて勉強してまいりました。次回も引き続き天然ガスについて調査した結果をお話したいと思います。
<参考・引用資料>
「トコトンやさしい天然ガスの本」第2版 日刊工業新聞社
JOGMECホームページ
フリー百科事典「ウィキペディア」
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