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地球の科学と自然災害(1)<地震−その1>
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今月から新たに「地球の科学と自然災害」という大テーマでスタートしたいと思います。
私達の住んでいる惑星“地球”は太古の昔のその誕生から今日まで、その内部や表面で様々な変化を続けてきました。ほとんどの自然現象はゆっくりと年月をかけて地球を変化させてきましたが、しかしながらある時は急激な変化を地球にもたらすことがあります。そしてその急激な自然の変化が、この惑星の表面に住み始めた人類の平穏な生活環境を乱したり、場合によっては生命さえ奪うことになります。その災害とはご存じのように、代表的なものには「地震」、「噴火」、「台風」、「大雨」、「干ばつ」、「津波」、「竜巻」などがあり、いずれも私たちの生活や生命を脅かす恐怖の自然現象です。
今回の大テーマではこれらの自然現象、自然災害を地球の科学という視点で、その原因となる基本的なメカニズムや様々な学説を取り上げて勉強してゆきたいと思っています。
なお「地球科学」というと広い意味では多くの学問分野が含まれていて、例えばウィキペディアは以下のような説明がなされています。
−地球科学−
英語: earth science、geoscience)とは、地球を研究対象とした自然科学の一分野であり、その内容は地球の構造や環境、歴史など多岐にわたる。近年では太陽系に関する研究も含めて地球惑星科学(英語: earth planetary science)ということが多くなってきている。日本では、ほぼ同義で主に高等学校での科目名や大学での学科名としての地学という呼び名が一般的に用いられてきた。
地球科学あるいは地球惑星科学は、ひとつの学問体系というよりは地球に関する様々な学問分野の総称であり、地質学・鉱物学・地球物理学・地球化学などに細分化されている。またその研究対象も、分野によって大気圏・表層環境・生命圏・地球内部・太陽系など多様であるが、最近ではこれらの相互関係に重点を置いて地球全体をひとつのシステムとしてとらえ総合的に研究しようとする地球システム学(惑星システム学)が提唱されている。
本シリーズでは自然災害を地球科学という学問より、やさしい且つ緩やかな科学的視点からという意味で学問分野にこだわらない地球の科学としてみました。もちろん弊社ネオマグ株式会社の専門外ですが読者の皆様とご一緒に勉強してみたいと思います。
[地震-1]震災と地震
まず最初に、特に日本にとって大きな自然災害の一つである“地震”を取り上げてみました。日本は、たびたび震災に見舞われてきました。東日本大震災(2011 年)や阪神・淡路大震災(1994年)は記憶に新しいし、関東大震災(1923 年)も誰もが知っている出来事です。直近(2016年4月)では、ほとんどの専門家でも予測できなかった熊本地震があり、いまだに被災者の方々は大変な生活を強いられています。
ここで気をつけてほしいのは、「震災=地震」ではないことです。震災とは、あくまで地震によって生じた災害のことを指します。東日本大震災を引き起こしたのは東北地方太平洋沖地震、阪神・淡路大震災の場合は兵庫県南部地震で、熊本の震災は熊本地震であるということです。したがって、小さな地震であっても、人口密集地で起こればパニックなどで大震災にもなるし、大地震であっても、誰も住んでいなければ震災などないということになります。
地震とは、断層運動で起こる振動である。岩盤がぎゅうぎゅう押されていると、いつか耐えきれなくなってバキッと割れます。そのときに起こる揺れが地震なのです。つまり、地下で起こる岩盤の破壊現象による揺れということもできます。地震を調べるということは、地球で起こっている岩盤破壊事件を探ることなのです。
[地震-2]地震の規模/震度とマグニチュード
地震が発生すると、必ず伝えられる震度とマグニチュードは、混同されることがあるので確認しておきましょう。その地点がどれだけ揺れたかを表わすのが震度です。一方、地震の規模を表わすのがマグニチュードであり、地震が発するエ不ルギーの指標でもあります。
両者の関係は、スピーカーの出力と聞こえる音の大きさにたとえられます。同じ出力でも、スピーカーの近くならうるさいほどだろうし、離れれば聞こえにくくなります。地震の場合、同じマグニチュードでも、震源から離れるほど震度は小さくなります。感じ方は発生源からの距離次第ということです。
ところで、地震のマグニチュードは1つだけはありません。現在世界的に使われているのが、モーメント・マグニチュード(Mw)です。日本の気象庁は独自の気象庁マグニチュード(Mj)を使っていましたが、実態に合わない場合もあり、現在では気象庁マグニチュード(速報)とモーメント・マグニチュードの両者を発表しています。
以下、震度とマグニュチュードについての少し詳しく調べてみました。
<震度>
日本では独自に気象庁震度階級を使用していますが、これは地震の揺れの大きさを階級制で表す指標で、日本では単に震度ともいわれています。主に気象庁が中心となって定めたもので、2012年時点で、4,300地点で観測が行われています。過去に基準や段階が変更されたこともありますが、現在は震度0から7まで(5と6にはそれぞれ強弱の2 段階がある)の10段階設定されています。なお計測震度は、震度計内部でデジタル処理によって計算されます。
地震情報などにより発表される震度階級は、観測点における揺れの強さの程度を数値化した計測震度から瞬時に換算されるものです。
<マグニチュード>
地震のマグニチュード (magnitude) とは、地震が発するエネルギーの大きさを対数で表した指標値である。揺れの大きさを表す震度とは異なります。日本の地震学者和達清夫の最大震度と震央までの距離を書き込んだ地図に着想を得て、アメリカの地震学者チャールズ・リヒターが考案しまし。リヒターの名からリヒター・スケール(Richter scale)ともいい、英語圏では「マグニチュード」よりも「リヒター・スケール」の名称が一般的です。
マグニチュードは地震のエネルギーと対数関係にあり、マグニチュードが1 増えると地震のエネルギーは約31.6倍になり、マグニチュードが2増えると地震のエネルギーは1000倍になります。
例えば、東北地方太平洋沖地震のマグニチュードはMw9.0、Mj8.4ですが、先の熊本地震の本震のマグニチュードはMw7.0、Mj7.3です。Mwで比較してみると、東北地方太平洋沖地震のエネルギーは熊本地震の1000倍のエネルギーを持っていたことになります。逆に言いますと、熊本地震のエネルギーは東北地方太平洋沖地震のエネルギーのわずか1/1000ですが、震源が近くて浅いためにあれだけ大きな揺れと大きな被害が出たわけです。
ちなみにマグニチュード計算式は以下のようになります。
地震が発するエネルギーの大きさをE(単位:ジュール)、マグニチュードを Mとすると、次の関係があります。
log10E=4.8+1.5M したがって E=10(4.8+1.5M)
この式からマグニチュードM が 1 大きくなると左辺のEが101.5だけ増加するからエネルギーは約32倍大きくなることが分かります(101.5=√103≒31.62)。同様にマグニチュードが2大きくなると地震のエネルギーは1000倍になります(101.5×2 = 103 = 1000)。また、マグニチュードで0.2 の差はエネルギーでは約2倍の差(101.5×0.2 = 100.3 ≒ 1.995)、マグニチュード0.1の差はエネルギーで約1.4倍の差となります(101.5×0.1 = 100.15 ≒ 1.413)。
[地震-3]地震の規模は断層がずれた規模
地球科学では、モーメントーマグニチュード(Mw)が使われることが多いようです。地震のエネルギーというのは断層運動(岩盤の破壊)によって放出されるわけですから、断層運動の規模に基づいて、ずれた断層面の面積とずれた距離で表わす方が意味があります(次図参照)。
たとえば、東北地方太平洋沖地震では、510km×210kmの面積が最大48m(平均12m)ずれた断層の規模だと表現できるのです。したがって、とてつもない大きさの岩盤が動いて揺れた地震だったということがわかります。モーメント・マグニチュードは、地震の規模を断層運動(岩盤の破壊)と結びつけているので科学的な解釈がしやすいのです。また、世界共通なので、海外で起こった地震との比較がしやすいという利点もあります。
しかし、解析に手間がかかるため、速報には向きません。また過去の地震をすべて解析し直すわけにもゆきません。このため、日本では防災上、気象庁マグニチュードとモーメント・マグニチュードを併用しているのです。
[地震-4]地震の原因はプレート運動
地震を引き起こしているのが断層運動で、断層運動を引き起こしているのは大地にかかるストレス(応力)です。そしてそのストレスの原因がプレート運動なのです。結局のところ、プレート運動が地震を引き起こしているということになります。
日本列島付近では、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいることを聞いたことがある人も多いでしょう。地球の表面は、厚さ100kmほどの何枚かの硬い岩盤の板「プレート」でおおわれており(前上図)、それぞれのプレートは別々に動いています。
日本列島は大陸プレートの線に位置しており、海洋プレートがはさみ込んでいます。沈み込む海洋プレートによって大陸プレートの端は引きずり込まれます。やがて、もとの位置に戻ろうとして跳ね上がり、そのとき発生するのが海溝型地震です(前右下図)。
一方、プレート境界から離れたところでは圧縮力がかかり、プレート内部が割れて断層ができます。そのとき発生するのが内陸型地震(前左下図)です。
今月はここまでですが、来月も引き続き「地震」について勉強したいと思います。
<参考・引用資料>
「本当にわかる地球科学」 鎌田浩毅 監修・著、西本昌司 著 日本実業出版社
「なぜ起こる巨大地震のメカニズム」 木村政昭 監修 編集工房SUPERNOVA 編著 技術評論社
「気象庁」 ホームページ
フリー百科事典「ウィキペディア」
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