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地球の科学と自然災害(3)<火山噴火−その1>
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地震その1〜その2では地震の震度、マグニチュード、原因となる断層運動、プレート運動の基礎について勉強しました。さらに、岩石は磁石の化石という見方での古地磁気やプレートテクニクス理論の概要などについても知ることができました。
さて、今月は自然災害の一つである火山と噴火を取り上げてみました。そして、地震と火山の関係についても勉強してみたいと思います。
[火山-1]火山噴火
■火山噴火とは
火山噴火というのは、ダイナミックな地球の活動を目の当たりにできる現象です。地下深部でできたマグマが地表まで上昇してきて、噴煙を上げながら灼熱の真っ赤な溶岩が噴出しているシーンを見ていると、自然の威力と脅威を感じずにはいられません。
そもそも火山はどうして噴火するのでしょうか? よくたとえられるのが、ビールを振ってから開けると泡が吹き出す現象です。中身が見えるビール瓶の栓を抜くと、瓶の上のほうで泡が立ち、発泡したビールが上昇して吹き出す様子を観察できます。減圧によって、ビールに溶けきれなくなった二酸化炭素が、泡となって吹き出るというわけです。
同様に、マグマに溶け込んでいるガスが、膨張によって泡となって現われ、火口を押し開いて噴火します。火口から流れ出た溶岩が泡だらけなのは、火山ガスが抜けたあとだからです。勢い余って飛び散ったマグマは、空中で発泡しながら急冷されて、泡だらけの軽石になる。軽石がほとんどガラスでできているのは、結晶ができる間もないほど急冷されたからです。
火山の噴火様式は様々で、山体を吹き飛ばすほど爆発的な噴火があるかと思えば、爆発することなく溶岩が流れ出るだけの噴火もあります。それは、マグマの流動性と噴火時のガスの量次第です。シリカ分(二酸化ケイ素:SiO2)が多いほど粘性が高いネバネバのマグマとなり、シリカ分が少ないほど流動性が高いサラサラのマグマとなります。
[火山-2]火山ができる場所
■火山が多いプレート境界
それでは、火山はどのような場所にできるのでしょうか。
火山ができるためには、マグマができなければならなりません。地球内部構造の図がカラーで描かれている場合、マントルは赤く塗ってあることが多いためか、マントル全体がドロドロに融けていると勘違いしてしまう人が多いようです。
ですが、マントルはほとんどが融けていないし、マグマができているのは局地的です。地球全体から見れば、火山ができる場所は意外と限られており、中央海嶺、沈み込み帯(島弧)、ホットスポットだけなのです。このうち、プレート境界にあたるのは、中央海嶺、沈み込み帯(島弧)です。
地球上に噴出するマグマの80%は、中央海嶺で生産されているといわれています。
中央海嶺は、プレートが生まれる裂け目です。プレートが横に広がることで隙間ができてしまうため、下からマントル物質が上昇し、減圧により融解(物質が融けて均一な液体になること)が起こっています。
マントル物質が部分的に融けてできたマグマが地表近くまで上昇して固まり、それが海洋地殻となります。地表の7割を占める海の底をつくっているのは海洋地殻であり、中央海嶺で噴出したマグマが固まったものです。
島弧は、海洋プレートが沈み込む場所です。長い間海水にさらされていて水をたっぷり含んだ海洋プレートが沈み込んでいくものですから、地下深部にある高温状態の岩石に水を供給することになります。加水されると岩石は融点が下がるので、融けやすくなるのです。日本列島周辺に火山が多いのは、水を含んだ海洋プレートが沈み込んでいる場所だからです。
マグマ発生のしくみは違うかもしれませんが、火山活動はプレート境界で起こっています。自然の力を見せつけられるような火山噴火をコントロールしているのも、プレートやマントルの動きなのです。地球内部にいかに巨大なエネルギーが秘められているのかがわかります。
■ホットスポット
ホットスポットは、マントル下部からの上昇流(ホットプルーム)がプレートを突き抜けて地表まで上昇してくる場所をいいます。プレート運動に影響されず、マントル深部からのマグマが噴出しています。有名なホットスポットはハワイ島で、キラウェア火山が常に噴火しています。
太平洋の地図を見ると、島々が列をなしていることに気づきます。たとえば、ハワイ諸島は、東から、ハワイ島、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島と一列に並んでいます。
それぞれの島をつくっている岩石の年代を調べると、いまでもキラウェア火山が盛んに溶岩を噴出しているハワイ島が最も新しく、西に離れるほど古くなります。
このことは、ハワイ島の下、プレートよりもずっと地下深部から、マグマが湧き上がっていると考えれば説明がつきます(前ページ上図参照)。ホットスポット上に海底火山ができると、やがて大きくなって海面の上に顔を出す島になります。
ところが、プレートがベルトコンベアのように移動しているので、できた火山島も移動してしまいます。やがて、ホットスポットから離れてしまい、火山活動は停止し、火山島は海に洗われ、侵食されていくというわけです。
このように、プレートと動かないホットスポットを不動点として、プレート運動が海底に記録しています。火山島は過去のプレート運動を探る手がかりなのです。
[火山-3]日本の火山
■日本に地震と火山が多い理由
地震国、火山国といわれる日本。先進国の中で最も地震が多く発生し、地球上にある2000 を超える火山のうち、その約1割が日本列島に集中しています。その原因は、先月号で勉強しましたように、地球の表面を覆う厚く巨大な岩板、プレートの境界に日本列島がのっているためです。
プレートは常にゆっくりと動いており、地震や火山の噴火は、プレートとプレートの境界や、プレートの真ん中起きている。つまり、地震と火山の活動源はプレートであり、その意味で地震と火山は兄弟のような関係と言えます。
■沈み込み帯にある日本列島と火山噴火
プレートの動きが、地震と火山の噴火を引き起こす仕組みをもう一度おさらいしてみましょう。海嶺では熱いマントルが上昇し、海の水で冷え固まりプレートになります。次々に生成されて移動するプレートは陸側のプレートと衝突する。衝突したプレートの境界にストレスがかかり、歪みがたまってゆきます。(左下図)
次に、境界部分での歪みが限界に達すると、歪みを解消するためにプレート境界面が滑ります。陸側のプレートがもとに戻るときの衝撃で地震が発生します。(右下図)
火山はマグマが噴出することでできていて、火口の下にはスポイト状のマグマだまりがあるとされています。プレート移動により、マグマだまりのあるプレートに圧力がかかります。(左下図)さらにプレートによる圧力が加わると、スポイト状のマグマだまりが圧縮されます。これによりマグマが上昇して噴火が起こります。(右下図)
日本列島は、太平洋をつくる太平洋プレートやフィリピン海プレート(海洋プレート)が、ユーラシア大陸をつくるユーラシアプレートや北米プレート(大陸プレート)に沈み込む場所の上に位置します。
海洋プレートは大陸プレートに絶え間なく沈み込み、その動きは1 年に4〜8cmの速度ながら、何十万年、何千万年という長い年月をかけ、非常に大きな距離を移動します。そして、沈み込みに耐えきれなくなった大陸プレートが弾かれて巨大地震が発生します。
また、前述しましたようにプレートの下にはマグマがあり、それらの動きは密接に関係していることがわかります。そのため、沈み込み帯では必ず活発な火山活動が起こります。これが、日本に火山の噴火が多い理由といえます。
■日本の火山と噴火リスクの高まり
巨大地震が発生すると、その後しばしば火山の噴火がみられる。火山の地下には大量のマグマが貯留されたマグマだまりがあり、地震の影響を受けて、マグマだまり内部の圧力が変化したり、岩盤の割れ目が拡大したりします。東北地方太平洋沖地震後に活動が活発化したのではないかと疑われる火山が多数見受けられます。
神奈川県と静岡県の県境にある箱根山では、3月11日直後から小規模な地震が急に増加しています。関東地方や中部地方では日光白根山、乗鞍岳、焼岳、富士山、また伊豆諸島では伊豆大島、新島、神津島、九州では鶴見岳、伽藍岳、阿蘇山、九重山、南西諸島でも地震があり、口永良部島では2015年に大規模な噴火がありました。
これらの地震の増加は、マグマの移動によって火山性微動が起きているものと考えられ、火山活動に何らかの変化が起きていることを示唆しています。
地震による地殻変動が、日本列島各地の火山に影響を及ぼし、火山の噴火活動を誘発する可能性も少なからずあると指摘する火山学者もいます。
20 世紀以降、世界ではM9クラスの巨大地震が6回起きましたが、東北地方太平洋沖地震以外の5つでは、すべて数日から数年以内に震源域の近くで噴火が発生しています。地震と噴火の因果関係は否定できないのです。
次回も「火山と噴火」ついてご報告する予定ですのでご期待ください。
<参考・引用資料>
「本当にわかる地球科学」 鎌田浩毅 監修・著、西本昌司 著 日本実業出版社
「なぜ起こる巨大地震のメカニズム」 木村政昭 監修 編集工房SUPERNOVA 編著 技術評論社
「パーフェクト図解・地震と火山」 鎌田浩毅 監修 学研
「産業技術総合研究所・地質調査総合センター」 ホームページ
フリー百科事典「ウィキペディア」
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