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おもしろい宇宙の科学(5)<銀河-その2>

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新年おめでとうございます。本年も引き続きネオマグ製品のご愛顧およびNeoMag通信のご愛読よろしくお願い申し上げます。

前月までお話をしましたように、私たちの地球は、太陽は、地球を含む8個の惑星と、月を含む多くの衛星、そして、無数の小さな天体を引き連れた太陽系ファミリーです。そして、太陽のような星が、約1000億個集まってできているのが、私たちが住む銀河系(天の川銀河)となります。

さらに銀河そのものも宇宙には1000億以上存在するわけですから、宇宙の広大さは頭の中ではイメージできない気の遠くなるほどのスケールですね。今月も「銀河」について、さらに詳細に調べてみましょう。

[銀河-5]銀河の群れと集団

宇宙に浮かぶ、1000億の銀河。銀河のほとんどは、仲間と行動しています。銀河は群れをつくるのです。銀河の一番小さな群れは、「銀河群」と呼ばれます。銀河群とは、3個以上数十個以下の銀河の集まりを指します。典型的な銀河群は、直径150万光年の範囲に5個程度の銀河が集まっています。私たちの銀河系も、約40個の銀河とともに、「局部銀河群」と呼ばれる群れをつくっています。

銀河はさらに集まって、集団をつくります。この集団は「銀河団」と呼ばれます。銀河団とは、50個以上の銀河が約1000万光年の範囲に集まった銀河集団のことです。

そして銀河団は、1億光年の広がりの中に、「超銀河団」と呼ばれる集団をつくって、宇宙空間をともに行動しているのです。超銀河団とは、銀河群と銀河団が集まった集団で、数個から数十個の銀河団が1億光年以上の範囲に集まっています。私たちの局部銀河群は、おとめ座銀河団とともに「局部超銀河団」(おとめ座超銀河団)に所属しています。

1000億の銀河は、フィラメント状の銀河の帯でつながり、宇宙空間に存在しています。

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[銀河-6] 華やかな活動銀河たち

無数にある銀河は一様な性質や挙動を示しているわけではなく、それぞれが個性を持っています。その中でも特に個性的な銀河たちもいます。それらの銀河は、明るく輝いたり、強い電波を出したりして、とても華やかな姿をしています。その活発な姿から、それらの銀河は「活動銀河」と呼ばれています。

活動銀河で有名なものは、「クェーサー」「電波銀河」「セイファート銀河」です。

クェーサーは、不思議な天体として、長い間注目されてきまし。見た目は星のように見えるのに、銀河の100倍から1000倍もの明るさで輝いているのです。

電波銀河は、渦巻銀河の中心から強い電波を出しているものや、楕円銀河のまわりから強い電波を出しているものがあります。

セイファート銀河は、中心部が異常に明るい渦巻銀河です。活動銀河と普通の銀河との違いは、銀河の中心部にあります。活動銀河は、中心部のブラックホールが活発に活動している状態なのです。ほとんどの銀河の中心には、ブラックホールがあります。その活動が活発になると、活動銀河になるのです。

ほかには、銀河同士の衝突などで星が生まれ、輝きを増す「スターバースト銀河」も、活動銀河に含まれます。

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[銀河-7]クェーサー(quasar)

この天体は、実は他の天体のように美しいわけでもなく、個性的な姿をしているわけでもなく、ただ点に見えるだけの天体です。しかしもし自分の目でこの天体を見ることができたなら異常に興奮すること間違いなしです。というのも、この天体まで実に20億光年という途方もない距離であると見積もられているからです。そして恐らく、この天体がアマチュアの使う望遠鏡でその光を捉えることのできる、最も遠い天体ということになります。

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一見ただの恒星に見えるおよそ13等のこの天体が脚光を浴びたのは1960年代のこと。第2次世界大戦後、強力な電波を放射する天体が続々と発見され、イギリスのケンブリッジ大学では3冊のカタログを発表しました。そのカタログ“3C”の273番目の天体が、この「3C273」なのですが、この天体からやってくる光のスペクトル観測から、この天体まで20億光年以上もの距離があることがわかったのです。そんなに遠くにあるのに13等もの明るさで見えるということは,3C273が銀河の数百倍もの明るさで光っていることを意味しています。こうして、3C273は、見掛けはただの恒星のようですが、恒星とは比べ物にならない莫大なエネルギーを放出している天体ということで、準(Quasi)恒星状(Stellar)天体(Object)、略して「クェーサー(quasar)」の発見第1号となったわけです。

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観測から見積もられるこのような天体の大きさはせいぜい太陽系くらいと小さいのに、そこからやってくるエネルギーは太陽1兆個分にもおよびます。宇宙創生初期に誕生した活動的な銀河中心核の「卵」であるとか、衝突合体をしている銀河中心のブラックホールであるなど、いろいろな説が考えられていますが、「クェーサー」の正体は現代天文学の大きな謎の一つとなっています。

 

現在では、クェーサーは可視光、X線、紫外線、赤外線、γ線などあらゆる電磁波で観測され、発見された数は1万3000個以上になります。遠いところでは130億年前、近いところでも8億年前の範囲にあり、およそ120億年前の範囲にその数はピークに達しています。

クェーサーは、銀河の中心核であり、古いものは130億年前にみつかります。この一部は宇宙初期にある銀河だろうと考えられています。中心核とは、銀河の中心で明るく輝く部分のことです。

下図は左からX線、可視光、電波でとらえられたクェーサー3C295の姿です。X線でとらえられた広がりは5000万度に達するガス雲があることを示し、その直径は200万光年におよびます。X線画像の中心部の2つの点は、電波画像のジェットと対応します。可視光でも、銀河系の数倍程度の質量をもつ楕円銀河が映し出されています。

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[銀河-8]泡のような宇宙の構造

宇宙全体の構造はどうなっているのでしょうか。今わかっている銀河の地図は、宇宙空間に銀河が均等に散らばっていないことを教えてくれます。

宇宙では銀河が群れをなし、その群れが大きな群れである超銀河をつくります。さらに数億光年の長さをもつ銀河の「グレート・ワォール」(巨大な壁)や、銀河がほとんどない「ボイド」(空洞)があることがわかってきました。

超銀河団とボイドが織りなす造形は、まるでシャボンの集まりのようにも見えます。銀河は泡の表面に集中するように存在していたのです。「泡宇宙」(泡構造)と呼ばれるこの大規模構造は、少なくとも25億光年先までははっきりしてきています。 現在、世界中の研究者が協力して、特殊な望遠鏡で星空の広い範囲を撮影して、そこに写っているひとつひとつの銀河の距離を割り出してゆくという、宇宙の地図づくりが行われています。

その代表的なプロジェクトがスローンーデジタルースカイーサーペイ(SDSS)です。日本を含めた各国の協力で、このプロジェクトは20世紀の終わりにスタートしました。観測はすでに終了しましたが、広い範囲にある多数の銀河が対象のため、データの解析には長い時間がかかるでしょう。完成したら、人類がもつ一番大きな地図となります。

下図左はSDSSによって2003年に発表された宇宙の3次元地図です。20億光年までの6万6976個の銀河分布で、右は銀河団の画像です。これまでの結果は衛星WMAP(2017年10月号参照)がマイクロ波宇宙背景放射をとらえたムラから予測される物質量とよく一致しています。

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[銀河-9]遠ざかる銀河

20 世紀初頭、天文学史上最も重要な論文の1つがハッブルによって提出されました。20世紀初頭、かのアインシュタインも含め、この宇宙は膨張も収縮もない定常宇宙だと信じられていました。この歴史が塗り変わったのは1929年3月。「遠い銀河ほど速い速度で遠ざかる」ハッブルは論文にそのように書きました。この事実は宇宙が膨張していることを示していました(NeoMag通信2017年10月号:宇宙の姿-6を参照)。

焼き上げる前のブドウパンの表面にあるブドウを銀河、生地を宇宙と考えると、その様子を想像できます。オーブンに入れると生地は膨らみ、ブドウとブドウの距離は離れます。宇宙という生地そのものが膨張しているため、銀河同士は遠ざかり、しかも遠くにある銀河ほど、速い速度で離れることになります。

ハッブルは銀河までの距離を測るために、セファイド型変光星を利用しました。銀河の光をプリズムで分解すると、スペクトルの一部に吸収された黒い線(吸収スペクトル)があらわれます。この吸収線の場所が、遠い場所にある銀河のものほど長い方(赤い方)へ移動していたのです。

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この現象は、救急車のサイレンの聞こえ方と同じ原理で説明できます。近づいてくると音は高く、波長は短くなります。遠ざかるとき、音は低く、波長が長くなるレ光も同じ性質をもちます。遠ざかるものほど、光の波長が赤い方へずれることを赤方偏移といいます。ハッブルは20個ほどの銀河を観測し、遠い銀河ほど波長が長くなり、早く遠ざかっていること、つまり宇宙は膨張していることを示しました。

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宇宙が膨張していること、それはさまざまな新しい宇宙の見方をあたえました。膨張する宇宙を過去へとさかのぼればはじまりがあり、宇宙はいわば進化するといった事柄です。宇宙のはじまりについては「宇宙の姿-その1~その3」でお話をしましたが、その際、宇宙を構成する銀河も複雑な経緯を経てはじまりを迎えたのでした。「銀河の誕生」についてはすでに「宇宙の姿」の中で、その概略を勉強してきましたので、詳細については取り上げませんので、再度おさらいをしてみてください。

次回からは目に見える、身近な宇宙のお話へと進んでゆきたいと思っています。どうぞご期待ください。

 

<参考・引用資料>

「知識ゼロからの宇宙入門」渡部潤一、渡部好恵 、ネイチャープロ編集室 発行元:幻冬舎

「徹底図解 宇宙のしくみ」編集・発行元:新星出版社

「宇宙の秘密がわかる本」宇宙科学研究倶楽部 発行元:株式会社学研プラス

「NASA資料」NASAホームページ

「ウィキペディア」