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おもしろい宇宙の科学(6)<恒星-その1>

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前月までは「宇宙の構造」「銀河」について勉強してきました。そして、宇宙には1000億以上の銀河があり、それら銀河ひとつひとつをつくりあげている1000億以上の「恒星」があり、さらに私たちが住む地球は太陽というひとつの恒星のファミリーということがわかりました。今月からは宇宙の範囲をより狭めて、夜空に輝く星、「恒星」について調べてみようと思います。

[恒星-1]核融合反応で自ら光り輝く

夜空を見上げると、無数の星が瞬いています。この中のほとんどが、太陽のように自ら輝く恒星と呼ばれる天体です。こうした恒星のことを、私たちはふつう「星」と呼んでいます。

恒星の主成分はガスで、中心部で“核融合”を行い、そのエネルギーで光り輝きます。 ちなみに、夜空で月や火星などの惑星が輝いて見えるのは、太陽の光を反射しているためで、自ら光り輝いているわけではありません。皆さんが見ている「星」は太陽系の惑星を除くと核融合反応で自ら光り輝いている恒星のことになります。

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<核融合>

ここで、“核融合”について少しおさらいをしてみましょう。

次図のように質量数60以上の原子が分裂して、質量数60程度の小さな原子になったとしましょう。原子核は安定化するので、そのぶんのエネルギーを外部に放出します。このような反応が核分裂反応であり、このエネルギーが原子爆弾原子炉のエネルギーに相当します。

反対に質量数の小さな水素(H)やヘリウム(He)を融合して質量数が大きな原子核になってもエネルギーは放出されます。このような反応が核融合反応であり、このエネルギーで輝いているのが太陽などの恒星であり、それを爆弾に用いたのが水素爆弾です。太陽の核融合反応は水素原子同士が融合してヘリウム原子に変わる反応です。下図のグラフでわかるように、一般的に核融合反応の方が核分裂反応よりはるかに大きなエネルギーを放出します。

核分裂反応 : 質量数の大きな原子が分裂 → 質量数の小さな二つの原子に分かれる

核融合反応 : 質婁数の小さな二つの原子が融合 → 質量数の大きな原子になる

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[恒星-2]恒星の誕生(星間雲・原始星)

<水素原子を主体とした星間雲>

恒星の一生、まずそのはじまりを考えてみましょう。恒星が誕生する場は、星間雲と呼ばれる水素原子を主体とした、周囲よりも高密度の星間ガス、ちりなどが集中した部分です。

星間雲は、自ら輝くことはありませんが、近くの恒星の光を受けて、輝いて見えることがあります。こうした星間雲を散光星雲と呼ぶ。散光星雲の代表的なものには、オリオン大星雲があります。また、背後に恒星などの光源があり、星間雲のシルエットが浮かび上がってみえるものを暗黒星雲と呼びます。有名なものにオリオン座の馬頭星雲があります。

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<恒星を輝かせる2つのエネルギー>

こうした星間雲がやがて回転をはじめ、内部で分子がつくられるようになると、主成分が水素分子の分子雲となります。この分子雲の中でも、とくに密度の高くなった部分を分子雲コアといいます。典型的な分子雲の大きさは直径が約100光年、質量は太陽の約10万倍、温度は25K(-258℃)。その密度は1cm3の中に水素分子が10万~100万個ほどです。この密度は、地球大気の物質密度の1兆分の1以下なのですが、宇宙空間ではかなり高密度ということになります。

こうした分子雲はふつう安定していますが、星の最後の爆発などが起きると、密度が急に高くなる領域が生まれます。しだいにその領域は自分自身の重さによって収縮をはじめ、密度がどんどん上がり、ガスの圧縮によって中心部の温度を上げてゆきます。すると、ガスは円盤状になります。

 

恒星を輝かせるエネルギーは、主に2つあります。1つは、重力による収縮で物質が圧縮されることで生じるエネルギー。もう1つは太陽の中心部で生じるような核融合によるエネルギーです。

やがて分子雲の中で、中心部が輝きはじめると、原始星の誕生となりますが、このときの光は重力に よるもので、放っている光は赤外線です。そして、重力収縮によって原始星中心部の熱が1000万℃以上になると、核融合がはじまります。2個の水素原子核が1個のヘリウム原子核に変わることで膨大なエネルギーが生みだされます。この核融合がはじまったときから、可視光で観測可能な天体となるのです。

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[恒星-3]恒星になった星と恒星になり損ねた星

<主系列星と褐色矮星>

原始星の内部で核融合がはじまると、その恒星は主系列星と呼ばれます。逆に言うと、水素による核融合が続いている間は、主系列星と呼ばれているのです。

太陽質量の0.08倍以上の星は中心部が重力の収縮する力によって1000万℃以上になり、水素の核融合がはじまるため、みな主系列星という段階を通ります。一方、太陽質量の0.08倍以下の星は、褐色矮星(わいせい)と呼ばれる星になります。この星では核融合がはじまるほど中心部の温度が高くならないため、主に重力収縮のエネルギーだけで赤外線を発し、長い時間をかけて冷えてゆくことになります。

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<安定した状態の主系列星>

恒星の状態や大きさ、温度は、重力収縮により収縮しようとする力と、核融合などで生まれる外へ広がろうとする力、この2つの力の攻防によって決まるとも言えます。

星の誕生時、周囲から落ち込む星間物質がなくなった原始星は、重力収縮で縮む力よりも核融合による熱で外へ広がろうとする力が強くなります。恒星は膨張、すると中心部の温度が下がります。温度が下がると核融合反応が鈍くなり、重力収縮の力が勝るようになって恒星は収縮します。再び、中心部の温度が上がり、核融合反応が進みます。こうして一進一退をくり返しながら、徐々に安定してゆきます。核融合反応がはじまると主系列星となり、主系列星の間は、重力収縮の縮む力と核融合の熱によって膨張する力のバランスがうまくとられるため、安定して輝き続けられるのです。

 

主系列星は、その天体がもつ質量によって表面温度や直径が異なります。これを整理した有名な図に「HR図」があります。縦軸に明るさ、横軸に表面温度(スペクトル型)を取ったもので、主系列星は左上から右下までのラインに並びます。このラインを主系列と呼びます。

恒星の一生をHR図で見ると、生まれてから主系列に達するまで、低温で暗い右下からしだいに高温で明るい左上へと移動してゆきます。たとえば、太陽質量の15倍の恒星が誕生すると、太陽の1万倍の明るさで輝き、表面温度は約4000℃です。これが十数万年かっと表面温度は3万℃を超え、太陽の1万6000倍の明るさで輝きます。

どのくらいの期間、主系列星でいられるかは、恒星の寿命と同じく質量しだいです。重い星ほど、重力収縮による熱が高く、核融合の材料である中心部の水素が早く消費されてしまいます。逆に質量が小さければ、水素は少しずつ消費されるため、それだけ長く核融合は続きます。たとえば、太陽は100億年、その10分の1の大きさの恒星なら約1兆年の間、主系列星にとどまっていることができます。

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今月は、夜空の星たちや太陽は水素の核融合反応の膨大なエネルギーで輝いていることがわかりました。また星(恒星)には生まれたての星から寿命がつきそうな星があることもわかりました。

そのほか、様々な特徴を持った星もありますので、来月も引き続き恒星について調べてみようと思います。

 

<参考・引用資料>

「知識ゼロからの宇宙入門」渡部潤一、渡部好恵 、ネイチャープロ編集室 発行元:幻冬舎

「徹底図解 宇宙のしくみ」編集・発行元:新星出版社

「宇宙の秘密がわかる本」宇宙科学研究倶楽部 発行元:株式会社学研プラス

「NASA資料」NASAホームページ

「ウィキペディア」