圧縮空気で風力発電の出力変動緩和 早稲田大など実証


[日本経済新聞電子版2017年4月22日配信]

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と早稲田大学、エネルギー総合工学研究所は2017年4月20日、風力発電の予測情報に基づく制御技術を用いた圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Compressed AirEnergy Storage)システムの実証試験を同日開始したと発表した。圧縮空気を利用して充放電することで、天候によって出力が変動する風力発電を電力系統上で安定的に利用できるようにする。

CAESシステム実証施設の外観(出所:NEDO)

風力と太陽光発電は、天候によって出力が大きく変動し、電力の安定供給に悪影響を及ぼすことがあるため、出力の予測技術や制御技術が必要になる。CAESシステムでは、電力系統に対する風力発電の出力変動を緩和する変動緩和制御と、事前に用意した発電計画と実際の発電量との差を極小化させる計画発電制御の2つの制御技術を開発した。

CAESシステムの構成模式図(出所:NEDO)
CAESシステム実証設備の概要図(出所:NEDO)

設備面では、風力発電から得た電力を使って圧縮機(モーター)で空気を圧縮して高圧状態で貯蔵。電力が必要な際に、貯蔵した圧縮空気で膨張機(発電機)を回転させて発電する。今回完成した設備では、オイルフリー式スクリュータイプの圧縮機と膨張機を採用し、設備を汎用機器で構成することで信頼性を高めた。圧縮時に発生する熱も貯蔵し、放電時に再利用することで充放電効率を向上させた。

静岡県賀茂郡河津町に設置し、東京電力ホールディングスの東伊豆風力発電所と接続して電力の変動を緩和させる実証実験を行う。CAESシステムの新しい制御技術と設備を実証することで、出力変動の大きい風力・太陽光発電を電力系統上で安定的に利用できる蓄電システムの制御技術を確立し、再生可能エネルギーの導入拡大を目指す。

(ライター 工藤宗介)

[日経テクノロジーオンライン 2017年4月21日掲載]

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