希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【サマリウムコバルト磁石】

サマリウムコバルト磁石(SmCo Magnet)、サマコバ磁石1-5系サマコバ磁石2-17系サマコバ磁石

「希土類(レアアース)金属のサマリウム(Sm)とコバルト(Co)の金属間化合物の永久磁石。サマリウムコバルト磁石には、1-5系と2-17系の2種類がある。」

(1)1-5系サマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)

SmCo5という金属間化合物を主体とした焼結磁石で、希土類磁石として最初に実用化しした。1969年アメリカ・レイセオン社がまず15MGOeのエネルギー積・(BH)maxを有する焼結磁石を成功させると、1972年〜1974年日本のTDK、日立金属、アメリカのGE社も相次いで16〜20MGOeのサマリウム・コバルトの焼結磁石の製品化、量産化をスタートさせた。それまではエネルギー積12MGOeの白金・コバルト磁石が最も強力だったことを考えると、2倍の強力磁石が瞬く間に誕生したわけである。しかしながら、(1)サマリウムの含有量が多く、コスト面で不利であること、(2)2-17系サマコバやネオジム磁石の性能に及ばないこと、などから現在は工業的な利用はほとんどなくなってきたといえる。

(2)2-17系サマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石)

Sm2Co17という金属間化合物を主体とした焼結磁石で、1-5系よりさらに大きな磁力を有している。1974年当時の松下電器産業の俵博士等が銅(Cu)を含有させた微細構造を有する磁石で高保磁力化の可能性を発表し、その後東北大学・金子・本間博士等の研究を受け継いだTDKが1976年、複合組成系のSm2(Co,Fe,Cu,Zr)17で30MGOeという高性能磁石の工業化に成功した。ソニーのウォークマンの初代機はこの磁石をモータ部に使用することにより圧倒的な小型・軽量化を実現し、ご存知のような大きなブームを巻き起こした。この2-17系サマリウム・コバルト磁石は温度特性の良さや比較的腐食、錆に強いことなどから、現在も磁気センサー、マイクロスイッチ、光通信等に使われている。