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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【ストリップキャスティング】

ストリップキャスティング(Strip Casting)、ストリップキャスト法

ネオジム磁石の合金インゴットを製造するための金属溶解法の一つであり、ネオジム磁石の高性能化を可能にした重要な技術である。」

この方法は下図に示したように、溶湯を回転するロール上に注ぎ、急冷する方法である。ネオジム磁石の主相であるNd2Fe14B相はFe相と液相の包晶反応によって生成される。従って化学量論組成に近づけた組成合金を通常の溶解法で作製すると初晶のFeが出現し,このまま永久磁石を作製しても、このFe相に影響され保磁力は低くなる。(一般には溶解後,初晶のFeを消すため、包晶反応温度の直下で長時間の熱処理が必要となる)逆にFe相の出現を抑えるため、Ndリッチ組成にすると最終的に得られる永久磁石内におけるNd2Fe14B相の体積分率が低下し、飽和磁気分極Js,(BH)maxも低下することになる。これに対しストリップキャスト法を用いると,初晶のFeの析出を防げるだけでなく、合金組成を化学量論組成に近づけて主相のNd2Fe14B相の体積分率を高められる。しかもインゴット中のNdリッチ相がNd2Fe14B相内に微細かつ均一に分散するため、その後の粉砕工程を経ても主相近傍にNdリッチ相が存在でき,焼結時における液相の分散状態が良くなる。このようなことからストリップキャスト法は高い磁気特性を有するネオジム焼結磁石の作製には必要不可欠なプロセスとなっている。