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磁石・磁気の用語辞典(用語解説)
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【Magnetism of Stainless Steel】

ステンレス鋼の磁性(Magnetism of Stainless Steel)

「ステンレス鋼は、さびにくくするためにクロムやニッケルを含ませた合金鋼である。“ステンレススチール”や“不銹鋼(ふしゅうこう)”、“ステンレス”、または“ステン”などと呼ばれる。JISにおいて主に“SUS”の略号が付けられる事から“サス”とも呼ばれる。SUS300系(SUS200系含む)のオーステナイト系ステンレス鋼は非磁性体で磁石に吸着しないが、SUS400系(一部SUS300系含む)のフェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼は強磁性体であり、”電磁ステンレス”とも呼ばれ磁石に吸着する。」

■磁石に吸着しないステンレス(ニッケルが4%以上のもの) 

 オーステナイト系ステンレス鋼 (Austenitic Stainless Steels)

 SUS201/16Cr-4Ni-6Mn-残Fe, 他SUS202

 SUS304/18Cr-8Ni-残Fe,  他SUS303,SUS316,SUS317,SUS321,SUS347 

 ※但し、ステンレス鋼を強加工(折り曲げ、強打など)すると若干の磁性を持ち、磁石

  に弱く吸着することがある。 

■磁石に吸着するステンレス(ニッケルが3%以下のもの) 

 オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(Austenitic-ferritic Stainless Steels)

 SUS329J1/23Cr-3Ni-1Mo-残Fe

 フェライト系ステンレス鋼(Ferritic Stainless Steels)

 SUS430/17Cr-0Ni-残Fe, 他SUS405,SUS434 

 マルテンサイト系ステンレス鋼 (Martensitic Stainless Steels)

 SUS403/12Cr-0Ni-残Fe, 他SUS410,SUS416,SUS420J2,SUS431,SUS440F

 <電磁ステンレスの磁気特性値>

 ステンレスの種類およびメーカーによって異なる値となるが、おおよそではあるが、フェ

 ライト系の磁気特性は、飽和磁束密度1.1T~1.2T、比透磁率1000~1800、マルテンサイト

 系は飽和磁束密度1.3T~1.4T、比透磁率750~950の範囲になる。 

【ステンレスの名称の由来】

1913年イギリスで軍の委託により小銃や大砲の地金開発に努力していた学者H・ブレリアンは出来損ないの素材をスクラップ置き場に捨てるときに錆びていない鉄片をスクラップの山から発見した。それはクロムを13%以上含んだ合金であった。それを刃物メーカーの協力を得て食卓用のナイフに試作し、ステンレス鋼“Stainless Steel”の愛称をつけ特許を取った。これがステンレス名の由来である。ちなみにJIS記号のSUSは、鋼(Steel)+用途(Use)+ステンレス(Stainless)の頭文字である。