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■ 西暦1917年〜1948年:近代永久磁石の草分け、合金鋼磁石
1917年:KS鋼の発明
19世紀半ばの産業革命の時代から20世紀初めにかけて、世界的に製鉄技術、冶金技術が目ざましく発展し、金属科学者や冶金技術者は新合金や新合金鋼の開発に取り組んでいました。このような背景の中で錆びにくいステンレス鋼などが発明されましたが、磁石専用合金というものはなく、長い間鉄そのものや炭素鋼を磁石として利用していて、19世紀後半においてもせいぜいタングステン鋼あたりを最も磁石性能が優れた合金として流用していただけでした。ところが1917年東北大学の本多光太郎博士と高木弘博士によって、鉄・コバルト・タングステン・クロム・炭素を成分にする焼入れ硬化型の磁石合金鋼・KS鋼が発明され、それまでのタングステン鋼の3倍の保磁力を実現した画期的な鋳造磁石が登場したのです。KS鋼という名称は、本多博士等に多額の研究費を寄付した住友吉左衛門のイニシァルからつけられたもので、当時の実業家がいかに優秀な永久磁石の誕生を待ち望んでいたかが良く分かります。
1932年:MK鋼の発明
東京大学の三島徳七博士は1931年、鉄・ニッケル・アルミニウムを主成分とする析出硬化型MK鋼を開発しました。この磁石はさらにKS鋼の2倍の保磁力を有していましたが、この発明は磁石になりにくい材質(軟磁性材料)のパーマロイの研究中に加工屑が離れにくいことを見つけ、偶然に発見したといわれています。
1934年:NKS鋼の発明
本多光太郎博士は、さらにMK鋼の成分にコバルト、チタンを加え、析出硬化型NKS鋼(新KS鋼)という高性能磁石を発明し、MK鋼と共に後のアルニコ磁石の基盤技術が完成したのです。
1938年:アルニコ磁石の開発
アメリカのGE社は1938年、NKS鋼に銅を加えたアルニコ磁石を発表し、さらに磁場中熱処理の技術を使ったアルニコ5を開発しました。アルニコの名称は、アルミニウム・ニッケル・コバルトの重要成分から由来していることは言うまでもありません。そして1943年、アルニコ磁石の工場生産が開始されました。
東北帝国大学金属材料研究所
初代研究所長:本多光太郎博士
(東北大学ホームページより)
アルニコ系磁石は弱磁性のNiAl相の中に強磁性である鉄、コバルトの単磁区相を持つもので、この磁石は1200℃程度の均一な固溶体から出発し、これを700℃程度まで急冷すると縞状の分相が始まり、Fe,Coを含む強磁性の相が析出する。さらに580-600℃で磁場中熱処理を行い長軸10-100mm、短軸1-10mmの大きさに成長させる。
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