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磁石が引き合う力の仕組みとは?

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普段何気なく使っている磁石ですが、実際になぜ磁石が引き合うのか、その仕組みを説明できる人は少ないかもしれません。そこで、どのような力が作用して磁石ができているのか、また磁石をより強力にする要素はどういったものなのかについて、詳しく解説します。

■磁石は極の向きによって2つの力をもつ

・引力

磁石における引力とは、磁石同士が引き合う力のことです。磁石には、どんな大きさのものであっても必ずN極とS極が存在します。2つの磁石において、それぞれのN極とS極をくっつけると、ご存じの通りぴたりとくっつき、手で引っ張ってもなかなかとれません。この力が引力です。

 

引力を有効利用したものには、例えば方位磁石があります。方位磁石はN極が北を、S極が南を向きますが、この仕組みには実は地球そのものが関わっています。そもそも、地球自体が巨大な磁石のようになっており、地球の北極にはS極が、南極にはN極があるのです。そのため、北極のS極が方位磁石のN極と引き合って、針は北を向くようになります。

 

このように、指先に乗るような小さな磁石から、地球規模の磁石まで、大きさを問わないあらゆる磁石に引力が存在します。

 

・斥力

一方、2つの磁石のN極同士、あるいはS極同士をくっつけようとしても、反発し合ってくっつけることができない、という経験をした人も多いのではないでしょうか。この反発し合う力を斥力と言います。引力と同じく、斥力も磁石が必ず持っている力です。

 

斥力を使った身近なものとしては、モーターがあります。モーターは斥力と引力の力を利用して回転する仕組みになっています。また、リニアモーターカーも引力と斥力の力で浮いていることで有名でしょう。リニアモーターカーの底面には超強力な磁石がついており、レールに当たるガイドウェイにはコイルがついています。磁石とコイルを使って、リニアモーターカーを引力で引っ張り、また斥力で後ろから押したりすることによって、リニアモーターカーは前へと進む仕組みになっているのです。

 

・磁石に働くクーロン力とは

同じ極同士の時は斥力が働き、違う極同士なら引力が働く、というこの磁石の法則に、限りなく似ているといわれているのが、クーロン力やクーロンの法則です。静電気を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。冬になると静電気でゴミがくっついてきてしまったり、女性ならスカートがまとわりつき困ったりしますが、このようなものがくっつく瞬間に働いているものこそがクーロン力です。

 

くっつくものの片方がプラスの電荷を帯び、もう片方がマイナスの電荷を帯びます。電荷は電気の力のことです。プラスとマイナスの電荷はそれぞれ引き合い、プラス同士、マイナス同士の電荷は反発するという、磁石のN極やS極とそっくり同じ性質を持っています。このことから、クーロン力は電荷だけでなく、磁力に関しても当てはまる法則だと言われています。

 

■引き合う力は条件によって異なる

・面積が広いほど力は強い

磁石における引力は、吸着力という言葉でも表されることがあります。吸着力は、磁石を鉄板に取り付けた場合、その鉄板と磁石とを垂直方向の力で引き離す時に、最低限どれくらいの力が必要になるのかということを表しているものです。磁石としての接触面積が大きければ大きいほど、この吸着力も大きくなります。また、磁石や鉄板が分厚くなるに従っても、やはり吸着力が大きくなります。

 

つまり、直径1cmの磁石と直径2cmの磁石では直径2cmの磁石の方が強力です。また、同じ直径1cmの磁石同士でも、厚みが1mmと10mmなら、10mmの磁石の方が強力になるわけです。

 

・磁束密度によっても強さが変わる

大きい磁石の方が引力や吸着力が強い、ということは、例えば工業用に強力な磁石がほしい時、巨大な磁石を用意しなくてはならないことになります。しかし、引力の強さに関する決まりにはもう1つあるため、実際には同じ大きさの磁石であっても、それぞれ引き合う力を変えることが可能です。それが、いわゆる「表面磁束密度」と呼ばれるものです。

 

表面磁束密度は、その名の通り、表面に磁石の力を発生させている磁束がどのくらいの密度で集まっているかを表したものです。力を発生させる磁束の密度が高ければ高いほど、磁石の力も強くなります。表面磁束密度は、磁石の材質や形などで変わってくるため、強力な磁石がほしいならどのような素材でできているかも見ておく必要があります。

 

■2つの力をあわせもつことが可能

磁石にはN極とS極があり、同じ極同士では斥力が働き、異なる極同士なら引力が働く、というのが、これまでの磁石の常識でした。しかし近年、驚くべきことに、N極とS極、両方の性質を持ち、引力と斥力が同時に発生する磁石を作る方法が発見されました。ネオジム磁石、という、ネオジムと鉄とホウ素を中心とする成分で作られた磁石を使用します。

 

この、ボタン電池のような形をした円形の磁石の周囲を取り囲むように、黒い輪を使って6つの磁石を固定するのです。すると、出来上がった磁石に通常の磁石を近づけた時、わずかな隙間を空けた状態でくっつくという不思議な現象が起きることになります。組み合わせた磁石の方を動かすと、引力によって通常の磁石もいっしょにくっついてきますが、斥力のせいで通常の磁石同士のようにぴたりと密着することはありません。2012年に特許を取得した方法であるため、今後の応用が期待されます。

 

■まとめ

磁石の持っている力は、違う極同士が引きつけ合う引力と、同じ極同士が反発し合う斥力で成り立っています。引力や斥力における法則は、電気の法則ともよく似ているといわれるのが特徴です。また、磁石はより吸着面の面積が広いもの、あるいは磁束密度の高いものの方が強力になります。磁石も素材によって強さが異なるため、磁石を入手する場合は注意してみるとよいでしょう。