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(5)磁性材料の探求と近代永久磁石の発展

■ 西暦1907年~1919年:ミニ磁石としての磁区の解明

20世紀初頭は原子物理学の急速な進歩と共に、磁性科学の飛躍的な発展がありました。一方、原子レベルの量子力学的な理論解明だけでは現実的な実用材料の進歩がありません。そこで大きな貢献を果たしたのが磁区という目に見えるミニ磁石の構造の解明でした。

先にも述べましたように、1907年ワイスの分子磁界の仮説で磁区の存在が予言されていましたが、1919年ドイツのハインリッヒ・バルクハウゼンが実験により、磁区の存在を音で初めて確認しました。この実験は強磁性体のコアにコイルを巻き、磁石を近づけると流れる電流をスピーカーで聞くというもので、強磁性体がスームーズに磁化されない様子が“ザーザー”というノイズになったものです。この現象を現在も“バルクハウゼン効果”と呼んでいます。この音は磁区内の磁化が反転する際の磁壁移動の現象を検知していたのです。その後、磁区についての研究は急速に進展して行きました。

磁区は磁性材料の中で立体的な組合せをして存在し、1つの磁区の内部は同じ向きの自発磁化(磁気モーメント)が並んでいます。磁区と磁区の境界は磁壁といわれていますが、単に自発磁化の向きが異なっている磁区の境界に過ぎません。

その後1930年代になって、マグネタイト微粒子のコロイド液と顕微鏡による磁区観察の技術、ビッター法が開発され、目に見える形で磁性体の磁化過程が評価できるようになりました。このように、磁区の原理が判明し、その観察が可能となったことで、近代の製鉄技術、冶金技術の進歩と相まって、高性能な磁石の開発・実用化が加速することになったのです。

永久磁石(マグネット)の歴史と磁気科学の発展44
外部磁石の位置と鉄片の磁区構造(磁壁移動)モデル
永久磁石(マグネット)の歴史と磁気科学の発展45
強磁性体の磁化曲線と磁区構造の変化