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おもしろい宇宙の科学(23)<系外惑星>

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2019年(令和元年)7月1日

前回までの「おもしろい宇宙の科学」9~22回は、「太陽系および太陽系の惑星」についての勉強をしてきました。しかし、もう一度太陽系から宇宙全体に視点を移してみれば、太陽は銀河系(天の川銀河)の中の一つの恒星に過ぎず、さらに、無数にある銀河系および銀河系以外の銀河には、それこそ無数の恒星が存在しているはずです。

そして、誰しもが無数の星(恒星)の中には「地球のような惑星」が必ずあるのではないかと信じてきました。今回は、このような太陽系以外の惑星、「系外惑星」の探査の歴史と「どこかにある地球の兄弟」についてのロマンを追求してみたいと思います。

[系外惑星-1]系外惑星の探査

何世紀にも渡って、多くの科学者、哲学者、SF小説作家は太陽系外惑星が存在すると考えていました。しかし、長らくそれを発見する方法はなく、どのくらい存在するか、どれだけ太陽系の惑星に似ているかを知る手段もなかったのです。19世紀までに太陽系外惑星を発見するために提案された観測方法は、全て天文学者によって否定されていました。

1940年代以降、さらに半世紀に渡って太陽系外の惑星を発見する努力が続けられましたが、やはり徒労に終わっていました。もはや私たち地球人は、この広い宇宙でも孤独な存在なのか?地球は宇宙にたった1つの特別な惑星か?・・・とあきらめが広がっていました。

[系外惑星-2]系外惑星の発見

そんなあきらめが蔓延する中で、1992年1月、電波天文学者のアレクサンデル・ヴォルシュチャンとデール・フレールは、パルサーPSR B1257+12の周囲を公転する2つの惑星を発見したと発表しました。その後、この惑星の存在は実証され、一般的に初めての決定的な太陽系外惑星の発見とされています。

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その後の追加観測から、1994年にはこのパルサーを公転する第3の惑星も発見されました。これらの惑星は、パルサーが形成された際の超新星爆発の残骸から形成されたか、超新星爆発の際に崩壊した巨大ガス惑星の中心にある岩石質の核が残ったものとされています。

さらにその後1995年10月、系外惑星発見の報告が意外なチームによってもたらされました。ジュネーブ天文台のミッシェル・マイョールら、系外惑星ではなく低質量の星の研究者たちが、ペガスス座51番星に惑星を発見したのでした。

これまで発見できなかったのは、太陽系の惑星とよく似た惑星を探していたためでした。マイョールらが見つけた系外惑星は、太陽系の惑星とはまったく異なるものだったのです。親星であるペガスス座51番星は太陽とよく似ているものの、発見された惑星は水星よりも内側のたった0.05天文単位(太陽と地球の平均距離の0.05倍)という軌道を、わずか4.2日で公転する木星質量の半分ほどの天体でした。親星をかすめるほどの近さで、その放射熱にさらされながら高速で周回する灼熱の惑星だったのです。熱い惑星とホット・ニュースをかけて「ホット・ジュピター」と呼ばれています。

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1995年にホット・ジュピターが見つかると、その後次々と系外惑星が発見されてゆきました。彗星のように大きな楕円を描き、親星の周りを周回し、灼熱と極寒の世界をくり返しているエキセントリック・プラネットなど、太陽系の惑星からはおよそ想像もつかない惑星が見つかりはじめました。今では発見される恒星のうち、10個に1個はこうした惑星を従えています。見つかっている恒星の半分以上が惑星系をもっている可能性すらあるというのです。

観測技術が向上するにつれて、太陽系と似た惑星系も見つかりはじめました。1995年の最初の発見から数年の間に、地球のように水をたたえた惑星が存在する可能性も十分議論の範囲内に入ってきたようです。なお、2019年6月時点で、太陽系外惑星エンサイクロペディアには4,071個の太陽系外惑星がリストアップされています。

[系外惑星-3]系外惑星の検出・観測技術

<ドップラー偏移法>

太陽系外の惑星は暗すぎて、惑星が反射する光をとらえるのはむずかしいのです。そこで第1の方法は、惑星を従える親星の動きをとらえることです。

これまでに発見された系外惑星のほとんどは、「ドップラー偏移」を利用して間接的に発見されたものです。惑星がまわっていると、恒星はふらつきます。それは惑星と恒星はその重心を中心にお互いにまわるからです。恒星の方が圧倒的に重いので、恒星は僅かしか動きませんが、惑星と同じ周期で回転します。恒星と惑星の関係は、ハンマー投げの選手とおもりの旋回を思い出してもらえば良いでしょう。

たとえば、太陽と木星の場合、太陽は半径0.005天文単位の円を木星の公転周期である12年かけて描きます。これを遠くの天体から観測すると、あたかもその天体からは親星が近づいたり、離れたりするように観測されます。このふらつきは、恒星からの光のドップラー偏移として観測できるのです。

たとえば、駅のホームに立っているとき、列車の警笛は遠ざかる際、高い音から低い音に変化します。つまり音の波長は長くなります。逆に近づく際は低い音から高い音に変化し、波長が短くなります。同じように光でも遠ざかる波長は延び、近づくものは波長が縮みます。これを利用したのがドップラー偏移法です。親星である恒星の光の周期的な波長の変化(ドップラー偏移)を観測して、間接的に惑星の存在を知る方法です。このドッブラー偏移法で惑星と親星の距離がわかり、距離と速度の振幅から惑星の質量が求められます。

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<トランジット法>

ドップラー偏移法とは別の系外惑星の発見方法で有力なものが「<トランジット法/span>」です。惑星の軌道面が、われわれから見てちょうど真横になっている場合には、惑星がときどき恒星の前を横切って影になります。そのとき恒星がみかけ上、一時的に減光します。この恒星面通過(トランジット)による減光で惑星を検出する方法がトランジット法です。

惑星新発見の方法としての利点は、ドップラー偏移法に比べて、遥か遠方の恒星の惑星も発見できることです。恒星の光の精密なドップラー偏移観測を行なうためには、明るい恒星、つまり近い恒星でなければなりません。つまり、ドップラー偏移法で発見できる惑星は比較的近いものに限られるのです。一方、トランジット法は単に周期的な減光がわかればいいので、遠く暗い恒星の惑星も発見できます。ただ問題は、惑星軌道面が視線方向にほぼ一致している必要があるため、惑星があっても恒星面通過が起こる確率が小さいということです。

このため、惑星新発見のためには、銀河中心や星団などの方向を狙って、十万から百万個というような非常に多くの恒星を継続的に観測し続けるということが重要になってきます。これまでに恒星面通過かも知れないという減光は数十以上の恒星で観測され、そのうちのOGLE-TR-56の減光は多分、惑星によるものだとされています(他は確認中)。その後、さらなる惑星新発見のために、フランスの「Corot」やアメリカの「Kepler」という惑星トランジット観測専用宇宙望遠鏡が打ち上げられました。

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<惑星の性質・特徴を知る>

一方、トランジット法は惑星新発見の方法としてだけでなく、すでにドップラー偏移法で見つかっている系外惑星に対しても極めて重要です。例えば、HD209458という7.6等級の恒星には、ドップラー偏移法によって、軌道半径0.045天文単位のホット・ジュピターが発見されたのですが、トランジット法によっても惑星が確認されました。ドップラー偏移法とトランジット法という、まったく異なる方法で確認されたことにより、惑星の存在は100%揺るぎないものになったという意義も大きいのです。

さらに、それだけではありません。恒星面通過が観測されたことによって、惑星軌道面の向きが決定され、惑星質量が完全に決定できました。また、惑星の密度もわかったのです。減光率は恒星と惑星の断面積の比に他なりません。恒星の半径はその恒星スペクトルから推定できるので、結果として惑星の断面積が決まります。質量と断面積から惑星密度がわかります。

一方、惑星が恒星面通過中、恒星の光の一部は惑星の大気を通過してくるので、恒星面通過中とそれ以外のときのスペクトルを比べると、惑星大気の情報を取り出せます。

このような各種の情報によって、地球のような岩石惑星か、それとも海王星のように氷でできた巨大氷惑星か、あるいは木星のような巨大ガス惑星かも推定できるのです。

このように既知の系外惑星についてもトランジット法が成功すると、ドップラー偏移法だけの場合に比べて、惑星に関する桁違いに多くの情報を得られます。ところが、トランジット法による追試が成功したのは、まだ数例に過ぎません。もっと多くの系外惑星で、その“異形”の顔に迫るには、さらに多くのトランジット観測成功例がほしいところです。

[系外惑星-4]地球型惑星の探査

<地球型惑星の特徴>

地球型惑星とは、主に岩石や金属などの難揮発性物質から構成される惑星です。岩石惑星、固体惑星ともいい、太陽系では水星・金星・地球・火星の4惑星がこれにあたります。太陽系のうち、これらの惑星が位置する領域を内太陽系と呼称する場合があります。木星型惑星・天王星型惑星と比べ、質量が小さく密度が大きいのが特徴です。水やメタン、二酸化炭素などの氷が存在できない領域で形成されるので、必然的に恒星に近い場所で誕生すると言われています。

<系外地球型惑星>

地球型惑星は、質量・体積ともに小さいため、もし太陽系以外の恒星系に地球型惑星が存在していても、それを発見するのは木星型惑星に比べてきわめて難しかったのです。

しかし観測技術の発達から、2005年にはアメリカの探査チームが地球から15光年離れた赤色矮星グリーゼ876において、地球質量6~7倍の地球型惑星とみられるグリーゼ876dを発見しました。

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さらに同年、重力レンズを用いた観測により約2万光年先の距離にて、地球質量5倍程度の惑星OGLE-2005-BLG-390Lbを報告しました。その後、数々の系外地球型惑星と思われる天体が発見され、これらは「スーパーアース(巨大地球型惑星)」と呼ばれていて、太陽系の地球型惑星と比較するとやや質量は大きく、しかし主成分は地球などと同様、岩石(一部は氷)であり、以降、更なる低質量の惑星発見が期待されていました。

<ケプラー宇宙望遠鏡>

2009年に太陽系外で地球型の惑星を探査するためにアメリカ航空宇宙局(NASA)が「ケブラー宇宙望遠鏡」を打ち上げました。この宇宙望遠鏡は打ち上げ以降大きな働きをして、太陽系外に予想以上の惑星を発見してくれました。

惑星探査の最大の目的は、地球タイプの星を探す事です。そして、ケブラー宇宙望遠鏡は期待に応え、地球によく似た惑星も発見しています。

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ケプラー宇宙望遠鏡は、これまでの探査で太陽系外に4、000個以上の惑星を発見しています。その探索範囲は、数光年先の近傍恒星系から数干光年彼方の恒星系まで及びます。その中で、生命が生息可能な領域「ハビタブルソーン」に位置する惑星は約200個。さらに地球と似た構成(表面が岩石で覆われた惑星)の星は20数個と、かなり絞られます。

しかしながら、ケプラー宇宙望遠鏡が残したこれらの成果は非常に大きなもので、宇宙には地球に似た星が多く存在する事を証明してくれています。

<惑星グリーゼ832c>

2014年、ケプラー宇宙望遠鏡により、地球から「つる座」の方向に16光年(約150兆キロメートル)の位置に、地球と極めて似た特性を持つ惑星「グリーゼ832c」が発見されました。地球の5.4倍の質量があるスーパーアース=巨大地球型惑星です。発見したのはオーストラリア、ニューサウスウェールズ大学のクリス・テイニー教授らの研究チームです。また、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のチリ観測所では、直径3.6メートルもの大型観測装置を使用し、共同研究が行われています。

研究によると、グリーゼ832cは現在までに発見された地球と似ている惑星の中でも、「最も地球と距離が近い星(約150兆キロメートル。参考:地球から月までは38万キロメートル)」になります。また、主星に対する公転周期は約36日で、地球―太陽間と同様のソーラーシステムを持っています。主成分は岩石や金属などの個体成分で、地球と極めて似た大気や温度・湿度を持ち、また驚くことに四季がある可能性も発見されています。

さらに、研究チームによると、グリーゼ832cを含む周辺の太陽系外惑星は、表面に水の存在までもが確認でき、生命体が生存する可能性もあるとのことです。

このグリーゼ832cは、地球との類似性を表す「Earth Similarity Index(ESI=地球類似性インデックス)」では、当時1位の「グリーゼ667Cc」、2位の「ケプラー62e」に次ぐ第3位となっており、地球に似ている星トップ3に食い込みました。

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ただし、グリーゼ832cの成分構成や大気密度など詳細の解明はこれからであり、我々人間が住むのに適しているかの判断は時期尚早のようです。

ちなみに、現在までに地球に似ている惑星はグリーゼ832cを含めて20以上の惑星が発見されているとのことですが、直近では、先月(2019年6月)、地球とよく似た太陽系外惑星を探す天文学の国際プロジェクト「CARMENES」の研究チームは、太陽系からおよそ12.5光年(約118兆2600億km)の距離に2つの惑星を発見したことを「EDP SIENCES」にて発表しました。

今回発見された2つの惑星は「ティーガーデンb」「ティーガーデンc」と呼ばれ、おひつじ座に存在する15.4等級の「ティーガーデン星」と呼ばれる恒星をそれぞれ約4.9日と約11.4日で公転する惑星です。研究チームによると、2つの惑星のうち「ティーガーデンb」は地球によく似た気温で、液体の水が存在する可能性があり、これまで発見された惑星の中で、「グリーゼ惑星」を凌ぐ、「最も地球に近い惑星」になるかもしれないということです。

[系外惑星-5]生命および知的生命体の存在

地球型惑星を発見したからといって、必ずしもそこに生命が存在し、ましてや、人類のように知的生命体の異星人がいるとは限りません。ケプラー宇宙望遠鏡が発見した惑星は、あくまでも、惑星のある位置や大きさなどが″地球に似ている″というだけで、生命の存在が確認された訳ではありません。

地球に似た惑星でも、そこに十分な大気が存在し、生命生息に適した環境が揃っているか?までは、はっきりとした観測はできず、「可能性がある」ということに留まっています。発見された23個の地球型惑星は、今後の詳細な観測で、事実が解明されて来るのではないでしょうか。

また、人類のように知的生命体が生まれるのにも厳しい条件があり、知的生命体が生まれるには、かなりの年月が必要となると考えられています。その理由は、地球に人類が生まれるまで、45億年以上の長い年月がかかっています。つまり、知的生命体は、星に住む生態系の究極の進化であって、それが育まれるまで、数十億年は時間が必要になって来るということになるからです。

・・・とはいうものの、これまでの推定・推測は人類の科学という範疇で、これらを最大限に利用して、観測したり計算したりした結果に過ぎないのです。宇宙誕生からは138億年経過しているわけですから、太陽系が誕生した46億年以上の前から、人類をはるかに超えた知的生命体が、太陽系外の宇宙のどこかで彼らの歴史を作っているかもしれませんね。

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以上、今月は太陽系の外にある「系外惑星」についてのお話をしました。

系外惑星については観測技術や探査技術の進歩により、2000年以降になってようやく各種情報が集まり始めた段階です。果たして、宇宙のどこかに地球とそっくりな惑星があるのか、はたまた、人類の想像を超えた知的生命体が存在するのか、日常の喧騒を忘れさせる「宇宙のロマン」ですね。

次回は「おもしろい宇宙の科学」の最終回として、「世界の宇宙開発の歴史」をまとめてみたいと思います。

<参考・引用資料>

「徹底図解 宇宙のしくみ」編集・発行元:新星出版社

「NASAホームページ」

「国立天文台」ホームページ

「Wikipedia」系外惑星

「Cosmo Library」ホームページ

「EDP SIENCES」Astronomy&Astrophysicsmanuscript no. output (June 12, 2019)