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おもしろい宇宙の科学(10)<太陽系-その2(太陽)>

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このサブシリーズは前回から天の川銀河(銀河系)の中にある太陽系のシリーズとなっています。

前回は太陽系誕生についての話でした。簡単におさらいをしますと、約46億年前、ガス雲の収縮が起こっている宇宙の領域の一つで太陽系が形成され、やがて太陽という恒星が形成されて主系列星になりました。そして、太陽のまわりに次々と惑星やその衛星が誕生していったのです。この太陽を中心とする太陽系は天の川銀河の大きさ直径約10万光年に対して直径約2光年に過ぎず、太陽系といっても天の川銀河の中のチリみたいな大きさに過ぎないのがわかりました。

しかしながら、現実に私たちは太陽系の中で生活をしているわけです。小さいながら、一番身近な目に見える宇宙としての太陽系の個別の天体について、今までの常識的な知識から一歩進んだ、もう少し詳しい情報を知ろうではありませんか。

そこで第一弾はもちろん、太陽系の中心である恒星「太陽」についてです。

[太陽-1]地球に最も近い星、太陽

太陽は夜空に輝く星々と同じ恒星で、その周りに惑星、準惑星、小惑星、彗星などを従えて、太陽系を構成しています。直径は約140万km。地球の約109倍もあり、地球のまわりを回る月の軌道がすっぽり入る大きさです。質量は地球の33万倍、体積は130万倍ほどもあります。太陽は主に水素とヘリウムからできていて、表面の温度が約6000℃、中心部では1500万℃もの高温になっています。

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日本の太陽観測衛星「ひので」が捉えた太陽の姿(X線画像)(c) JAXA/国立天文台

[太陽-2]太陽の構造

地球に最も近い(平均距離1億4960万km)恒星である太陽は、その様子が詳細に観測されています。太陽の中心には核があり、そこでは水素の核融合反応が起こっています。核の外側には「放射層」、さらに外側には「対流層」があり、核で生じたエネルギーがそれぞれ放射、対流によって表面へと運ばれています。対流層の外側は光球と呼ばれ、太陽の表面にあたります。私たちが目にしているのはこの光球です。光球の外側には太陽の大気に当たる「彩層」、さらに外側に皆既日食のときにのみ肉眼で見ることのできるコロナがあります。太陽の表面にはいくつかの現象を見ることができます。周りより温度が低いために黒く見える「黒点」、その周囲に見られる温度が高い領域「白斑」、太陽表面全体をおおう斑点模様である「粒状斑」などは、望遠鏡で太陽を投影する方法などで見ることができます。また、彩層での爆発現象である「フレア」や巨大なガスのアーチ「プロミネンス」、巨大なガスの柱「スピキュール」などもあり、特定の波長の光だけを通すフィルターを使うと見ることができます。

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太陽の構造 (宇宙のしくみ 新星出版社)

[太陽-3]核融合反応

太陽の表面温度は約6000℃で、大量の熱は内部で起きている核融合反応が莫大なエネルギーを四方に出しています。重力によって強く圧縮された中心部では、圧力は2500億気圧、温度は1500万℃にもなり、原子も高い熱によって分解しています。

原子は、原子核と電子からなり、原子核は中性子と陽子からなっています。中心部では陽子が激しく衝突し、核融合を起こします。4個の水素原子核は1個のヘリウム原子核(2個の陽子と2個の中性子)に変わるのと同時に莫大なエネルギーが生み出されるのです。水素がヘリウムに変わることで、質量が減り、その質量分がエネルギーとして放出されます。太陽は1秒間に420万t ダイエットし、その分をエネルギーに変換します。太陽は少しずつ軽くなっているのです。

核で生まれたエネルギーは、放射によって外側へと伝わってゆきます。光の形でエネルギーを外へと運ぶ放射層、対流でエネルギーを外へ運ぶ対流層があります。

対流層では、温度が高く軽いガスは上の方へ昇っていき、温度の低いガスは下がるという対流が起きます。ガスは対流を起こしながら、外側へとエネルギーを運んでゆきます。

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4個の水素原子核(陽子)が3回の反応をへて、1個のヘリウム原子核に変わるまでに膨大なエネルギーが生まれる(JAXA ホームページ)

[太陽-4]太陽の黒点

太陽表面に見える黒点は、太陽の自転にともなって東から西へと移動してゆきます。自転の周期は約27日ですが、太陽面上の緯度によって異なります。また、黒点は強い磁石になっていて、まわりの部分よりも温度が1000~2000℃低くなっています。その温度差のために黒点は黒く見えるのです。黒点のほとんどは磁石のN 極とS 極に相当する対になって太陽の東西方向に並んで現れ、赤道を中心に南北35度までの範囲に多く見られます。

大きさはさまざまだが、1000kmから数万kmにおよび、肉眼でも確認できることがあります。黒点は太陽の活動と密接な関係をもっています。太陽の活動が活発になる極大期に黒点はたくさん現れます。

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太陽観測衛星「SOHO」が捉えた黒点の移動のようす(c) SOHO(ESA & NASA)

[太陽-5]太陽風

太陽の表面には、「コロナ」と呼ばれる100万℃以上の密度の低い薄い大気があります。このような超高温では、気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でも、このコロナガスを繋ぎ止めることができず、イオンや電子が放出されます。放出された電気を帯びた粒子「プラズマ」「太陽風」と呼ばれます。

毎秒100万トンもの質量が太陽から放射されています。この流れが地球の公転軌道に達するときの速さは約300~900km/s、平均約450km/sであり、温度は100万 ℃に達することもあります。地球磁場に影響を与え、「オーロラ」の発生の原因の一つとなっています。高速の太陽風は、コロナホールや太陽フレアに伴って放出されていると考えられています。

 

太陽系には、系外からの銀河宇宙放射線が流入していますが、その量は、太陽風を伴う太陽活動と相関があり、太陽活動極大期に銀河宇宙線量は最小になり、太陽活動極小期に銀河宇宙線量は最大になります。これは太陽風が、太陽系外から流入する銀河宇宙線をブロックするためと考えられています。銀河宇宙線のエネルギーは強大で、ほぼ真空の宇宙空間を飛翔する岩石結晶には、銀河宇宙線による細かい傷が見られます。太陽風によって、銀河宇宙線の地球に対する影響が抑えられているともいわれています。米国のボイジャー探査機においては、太陽系を離れるにつれて次第に強い銀河宇宙線が検出されているのがその理由ではないでしょうか。

太陽に接近して尾ができた彗星において、尾が常に太陽と反対方向に延びるのも、彗星表面から蒸発した物質が太陽風によって吹き流されるのがその一因です。

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太陽風は水素イオンが95%を占めており、残りはヘリウムとその同位体等の様々なイオン及び電子となっています。月などの大気や磁気のない天体表面にはそれらが堆積しています。特に核融合燃料として有望なヘリウム3(3H)が月面に豊富に堆積している事が確認されており、その利用が月開発の目標の一つとなっています。

[太陽-6]オーロラ

「オーロラ」は、太陽風の一部が地球を覆う磁場に沿って南極や北極上空に侵入し、100kmくらいのところで大気の酸素や窒素の原子と衝突するためにおこります。ちょうどネオン管の中でおきているのと同じような現象です。酸素原子と衝突したときには赤と緑の、窒素原子と衝突したときには桃色のオーロラが現われます。

太陽には、11年周期で活動が活発になる極大期と、比較的穏やかになる極小期が交互にきます。ただし、最近ではもう少し振れ幅があるのではないかといわれています。極大期には、フレアが頻出し、地球ではオーロラ出現の機会が多くなります。あまりに強い太陽風が地球まで到達すると、ひどいときには宇宙飛行士が被ばくしたり、地上で停電がおきたりします。

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オーロラの一例

アラスカ・フェアバンクスで撮影された。オーロラは発光のおこる高さによって色が変わる。通常よく見られるのは、100~200kmでおきる酸素原子の発光の緑色です。

[太陽-7]移動している太陽(太陽系)

太陽は太陽向点に向かって進んでいます。地球が太陽の周りを1年かけて回っていること(公転)を知らないという人はいないでしょう。地球は秒速約30キロメートルという速さで公転していますが、動いている電車に乗っているとその速度を体感することがないように、地球の上に乗っている私たちも、地球が高速で移動していること自体を感じることはありません。

それでは、太陽自身も猛スピードで動いていることはご存じでしょうか。太陽系の中心に位置する太陽は、宇宙空間の中で静止しているように思えますが、精密な観測の結果、太陽も天の川銀河の他の恒星たちに対して秒速19.5キロメートルで移動していることがわかっています。この太陽(太陽系)が移動する方向を「太陽向点」といい、現在はヘルクレス座の方向に太陽向点があります。たたし、太陽向点かヘルクレス座の方向にあるからといって、いつか太陽系かそこへたとり着くということではありません。太陽系は天の川銀河(銀河系)の中で上下運動をしているため、その動きにしたがって太陽向点も少しずつ移動しているのです。

実は、宇宙ではあらゆるものが動いています。したがって、太陽系が属している天の川銀河も例外ではありません。まず、天の川銀河自体か中心部分を軸として回転しています。太陽系はその天の川銀河の中心から約2万8000光年の距離に位置し、天の川銀河の回転とともに移動しているのです。そのスピードは秒速約210~217キロメートル(太陽向点への速度とは異なる)で、およそ2億5000万~2億8000万年で天の川銀河を一周する計算になります。そのように天の川銀河と一緒に移動する一方で、太陽系自身が上下運動もしているため、天の川銀河の上に太陽系の軌道を描くと、上下に緩やかに蛇行しながら移動している形になります(次図を参照)。大きなスケールで考えると、天の川銀河という液体の中に浮かぶ太陽系という小さな泡か、ゆらゆらと上下に揺れているイメーシといえばいいでしょうか。

さらに、その天の川銀河自体も膨張する宇宙の中で移動しています。つまり、宇宙のある地点から見ると、「太陽系は天の川銀河を中心にぐるぐる回りながら、ものすごいスピートで移動している」といえるのです。

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以上、今月は太陽系の中心恒星「太陽」の話でした。太陽は水素の核融合反応で膨大なエネルギーを放射し、且つ、宇宙をものすごいスピードで天の川銀河とともに移動しながら銀河内も動いていることがわかりました。さらに詳細な情報については専門書や科学関連のウェブで調べてみてください。

次回からは太陽の惑星についての話になりますが、最初の惑星は「水星」を取り上げる予定です。

 

<参考・引用資料>

「知識ゼロからの宇宙入門」渡部潤一、渡部好恵 、ネイチャープロ編集室 発行元:幻冬舎

「徹底図解 宇宙のしくみ」編集・発行元:新星出版社

「宇宙の秘密がわかる本」宇宙科学研究倶楽部 発行元:株式会社学研プラス

「NASAホームページ」

「ウィキペディア」

「国立科学博物館」ホームページ