希土類磁石(ネオジム(ネオジウム)磁石、サマコバ磁石)、フェライト磁石、アルニコ磁石、など磁石マグネット製品の特注製作・在庫販売

地球温暖化と温室効果ガスの検証(5)<地球温暖化の証拠の検証(続)>

文字の大きさ :
2020年(令和2年)7月1日

[地球温暖化の証拠の検証-2]極地の氷の減少

<南極の氷と気温>

北極海に比べ、南極海の氷は状況がまったくちがいます。右下図で示したように、先月号で解説した北極海の海氷面積左下図と共通の期間にほとんど減らず、むしろゆっくり増えつづけてきました。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200701

海氷の増加は、気温の低下を反映しています。実際、米国ゴダード宇宙科学研究所(GISS)の気温サイトにある南極大陸の観測点(約20か所)では、1950年代から現在まで、たいていの場所の気温は横ばいか下がりぎみできました。たとえば日本の観測所がある昭和基地の気温は、次図のようになっています。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200702

南極にある観測点で測った大気のCO2濃度は、世界各地と同じように変わってきました。確かに1958年の317ppmから現在の407ppmへと、30%近く増えています。しかし、モデル計算だとCO2濃度が上昇すれば気温が少しずつ上がるはずのところ、実際の気温は下がりぎみだという事実だけ見ても、CO2地球温暖化説はかなり怪しいことになります。

南極海の海氷面積の図を眺め直すと、2015年~2016年に起きた海氷の激減(平均値からの減少率にして約10%)が目立ちます。ついに温暖化の影響が現れた……と叫ぶ人もいましたが、米国立雪氷データセターの研究者によれば、しばらくつづいた猛烈な北風が海氷を南極大陸のほうへ吹き寄せて、見かけの海氷面積を減らしたせいだろうということです。2017年もまだ平均値より少ないものの、やがて「微増」の線上に戻る筈です。

2009年にはワシントン大学やNASAの研究者が、(南米大陸の南端に近い)南極半島あたりで激しい温暖化が進行中と『ネイチャー」誌に発表し、恐ろしげなカラーCGが同誌1月22日号の表紙を飾りました。しかし以後の調査で、気温の上昇が認められた観測点の地下には海底火山が多いと判明。つまり、マグマ由来の地熱が気温を上げていたのです。そして、2017年、南極を覆う氷床の2km下に世界最大級の火山地域があることを、スコットランド・エジンバラ大学の研究者らが明らかにしました。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200703

なお南極半島の付近については、巨大な「ロス棚氷」が温暖化のせいで解け、海面上昇につながる……と警告する人がいました。しかし、2018年2月16日『ナショナルージオグラフィック』誌の記事によれば、ニュージーランドの研究者が調べたところ、ロス棚氷の底部はむしろ氷結が進行中で、融解しそうな気配はないということです。

 

<南極の氷河>

温暖化関係のニュースや特番でメディアは、しばしば南極の氷が崩れ落ちるシーンを予告ふうに流します。「温暖化がこんな異変を起こしている」といいたいのでしょうが、実のところその映像は、番組制作者の意図を裏切っていることがわからないらしい。

沿岸(南緯69度)の昭和基地さえ年平均気温は氷点下-10℃以下ですから、南極大陸のほとんどで気温は氷点下にとどまっています(南極点なら高くても氷点下50℃)。そんな場所の気温がかりに1~2℃上がろうと、小学生でも知っているとおり、氷が解けるはずはありません。

また、南極に降った雪はやがて氷に変わる。どんどん増える氷は、自重で低いほうへと動くため、南極の氷を氷河と呼びます(中心部から端部へ流れ着くのにかかる時間は約5000年)。端部にやってきた氷は必ず崩れ落ちます。要するに南極の氷が崩れ落ちるのは、恐竜時代からのありふれた自然現象にすぎないということです。温暖化が沿岸の気温を0℃以上にして氷河の端部を解かすなら、崩落の勢いはむしろ弱まってゆくでしょう。勢いが増したとすれば、氷が増えたからです。つまりメディアが流すシーンは、地球寒冷化番組の予告シーンにこそふさわしいともいえます。

[地球温暖化の証拠の検証-3]氷河の面積減少と後退

<高地の氷河の後退>

2016年12月13日付けの“nature science”誌に次のように論文の紹介がされています。

「・・・後退する氷河は10年以上の期間にわたる地域的な気候変動を明瞭に記録しているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究は、現在の縮小しつつある氷河が、世界中の多くの地域で20世紀と21世紀初頭に起きた気候変動の決定的な証拠となっていることを示唆している。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200704

この論文で、Gerard Roeたちは氷河観測をよく解析された局所的な気象学的観測と組み合わせて個々の氷河の変化を評価し、それによって氷河の変化についてより強い結論を得ることができた。彼らは、それから、全球に広く分布した37個の氷河について局所的な気象学的観測とともに氷河の観測を分析し、これらの氷河のうちの36個では後退が気候変動により起きたことは極めてあり得る(少なくとも90%の確率)ことを見つけた。研究チームは、この気候変動の原因は観測のみからは決定することはできないが、観測された氷河の後退が全球に分布し100年の時間スケールで存在すると仮定したら、自然の10年単位の変動とは考えられず、人類起源の温暖化が原因である可能性が最も高いと述べている。・・・」

・・・・氷河が後退している? CO2の起こす温暖化が世界各地の氷河を減らしている(後退させている)という上記の論文のような話が溢れています。ヒマラヤの氷河が解けて、氷河から流れ出る川がバングラデシュに洪水を起こすという話もあります。・・・・本当にそうなのでしょうか?

 

人為的CO2(人間活動)のせいなら、氷河の後退が目立ち始めたのはCO2が増加し始めた1940年以降のことになる筈です。しかし過去の資料も当たってみると、氷河の後退は18~19世紀から始まっています。米国のアラスカ州にグレイシャー湾という場所があります(グレイシャー=氷河)。2001年7月に米国地質調査所が発表したデータ(次図左)によれば、そこの氷河は1700年代の後半から後退を始め、1940年代にはほぼ100キロメートルの後退を終えて、地名どおりの湾になっています。

このことは、小氷期からの回復に伴う気温上昇が氷を解かしていったと考えた方が自然ではないでしょうか。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200705

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200706

なお、長い目で見ると世界各地の氷河は前進と後退を繰り返してきました。たとえばローマ温暖期(前図)の紀元前218年には、現スペインのカルタヘナを出たカルタゴのハンニバル軍が、象の「戦車」でアルプスを北から南へと越え、ローマ本土に侵攻しています。アルプスの氷河が現在の姿だったら、とてもそんなことはできません。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200707

<キリマンジャロの異変>

タンザニアにあるアフリカ最高峰のキリマンジャロ(標高5895メートル)は、頂上付近に氷河をもちます。2002年に米国オハイオ州立大学の気候学者ロニ-・トンプソン教授が、CO2の起こす温暖化で氷河は2015~2020年に消え失せる・・・と論文に書きました。以後しばらく、キリマンジャロの異変はメディアや温暖化本の話題になり続けていました。

散発的な登頂行の記録しかないものの、氷河面積の移り変わりは左下図のように推定され、すでに19世紀から減り続けたとわかります。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200708

20世紀前半までの氷河の激減は、小氷期からの気温の回復の影響があるかもしれません。その後のCO2増加の時代は、その減少は緩やかであり、CO2による急激な温暖化説とは矛盾しています。

このデータを載せた論文の著者は、インド洋からやってくる水蒸気の量の長期変動が原因かもしれないといいますが、はっきりはしていません。

なお、トンプソン説は融解(固体→液体)でしたが、頂上付近はいつも氷点下だから納得できません。

やがて2006年ごろ、オレゴン州立大学のフィリップーモートがわかりやすい説明を思いつき、昇華(固体↓気体)で氷が減ったのではないか? 湿度が低いほど氷は昇華しやすいから・・・と発表しました。

・・・キリマンジャロ山麓では20世紀の中期から人口が増えました。森を畑に変え、薪を手に入れたい住民が木を次々に伐ります。すると土地の保水力が落ちて一帯の乾燥化か進み、山頂付近の空気も湿気を減らして氷が昇華しやすくなった・・・という説明です。現地に出向いた研究者によれば、氷の表面はギザギザだったという(融解ならツルツルになる)ことです。それも「昇華」説に合い、CO2による温暖化原因説は旗色が悪くなっています。

地球温暖化と温室効果ガスの検証-画像200709

ちなみに2002年以降、キリマンジャロの氷河はあまり減っていないといいます(反対に2012年には積雪が増えて話題になりました)。因果関係の突き止めに今後20年や30年かかるとしても、多少の遅れが問題になるような話ではなくなってきています。

トンプソン教授かいまなお温暖化原因説を捨てていないのは、全米科学財団からもらい続けた大きな研究費と無縁ではないのかもしれません。

 

<ススのいたずら>

世界各地には、後退が加速中に見える氷河もあります。小氷期からの戻りに加えて人為的CO2による温暖化も少しは効いているのでしょうが、もう一つ、ススの影響も大きいといわれています。

1970年代以降、とりわけ1990年前後に起きたソ連邦解体のあと、旧東欧諸国や新興国の工業化が進み、そのため大量の石炭を燃やしたために黒いススが大気に拡散しました。ススが気流に乗って氷河の表面に着地すれば、太陽の熱を吸収して氷の融解を促します。その証拠に、世界中で数多くの、表面がうす黒く汚れた氷河の写真を見ることができます。しかし、ススの影響がどれほどかの定量的な報告はまだほとんどなく、今後の研究・調査が待たれます。

 

以上、今月の話をまとめますと、

北極の氷、アルプスなどの高地の氷河の後退は確かに確認できますが、実はCO2が増加し始めるよりはるか以前から起こっていました。このことは、現在を含めて、小氷期からの気温の戻りの時代に呼応する現象だということのようです。また、南極の氷河の融解、減少も、海底火山など一部の地域の特殊な現象に過ぎず、全体として、南極の氷河は増加傾向にあるということがわかりました。

このように、人為的な地球温暖化は必ずしも否定できませんが、あるとしても、その影響の程度は地球の自然のわずか1万年前からの歴史をみても、誤差の範囲の大騒ぎかもしれません。

 

次回からは、地球温暖化の“主犯”といわれている温室効果ガス「二酸化炭素・CO2」について、様々な角度から調べてみます。

<参考・引用資料>

「気象庁」ホームページ/ 各種データ・資料

「日本の気候の長期変動と都市化」2010年度日本気象学会賞受賞記念講演 藤部文昭

「不都合な真実 」アル・ゴア(著)、枝廣 淳子(訳)、 実業之日本社文庫

「地球温暖化の不都合な真実」マーク・モラノ(著)、渡邊 正(訳)、日本評論社

「地球温暖化狂騒曲・社会を壊す空騒ぎ」渡辺 正(著)、丸善出版

「地球温暖化・CO2犯人説は世紀の大ウソ」丸山茂徳、戎崎俊一、川島博之。デビッド・アーチボルト、ほか、宝島社

「論文:地球温暖化の太陽活動原因説」松田卓也、あすとろん第3号(NPO花山星空ネットワーク)、「RealCrazyClimate」ホームページ