
ネオジム磁石
製品情報現在、世界で最も強力な磁石です。わずか数cmの大きさで、10kg以上の吸着力!アイデア製品、新製品開発に最適です。

サマコバ磁石
製品情報温度特性に優れているため温度安定性が要求される用途に適しています。防錆のための表面処理は不要です。

フェライト磁石
製品情報酸化鉄を主原料にしているため、低コストが重視される用途に向いています。錆の心配はありません。

表面磁束密度
吸着力計算ご希望の磁石の表面磁束密度、吸着力、限界使用温度などを計算いたします。径方向着磁にも対応いたしました。

磁石・磁気の
用語辞典磁石・磁気に関する用語解説集。専門書にも負けない豊富な内容で、初心者からプロまで幅広くご利用いただけます。

磁石の歴史
大昔の磁石、磁気科学の歴史、強力な磁石が出現した背景など多くの図表を使って解説しています。
磁石プロの視点
2025年11月10日
希土類(レアアース)の需給動向-3(新規希土類鉱床と鉱山の開発)
<磁石プロの視点>
前章「希土類(レアアース)の需給動向-1、-2」でもお話をしましたように、中国が鉱石採掘から分離・精製、合金化、ネオジム磁石の製造までのサプライチェーンの80%以上を占有している中で、中国以外の国でのレアアース採掘を増やすこと、あるいは新規鉱床・鉱山の開発、稼働が急がれています。
すでに既存の米国マウンテンパス鉱山や豪州マウントウェルド鉱山は増産を始めていますが、世界的な需要に応えるには程遠いのが現状です。また、陸上での新規の鉱床探索や鉱山開発も進められていますが、政治的な背景や採算面の課題も多く、中国のサプライチェーン支配を揺るがすにはまだ時間がかかりそうです。
その中で米国、カナダ、豪州で新規鉱床・鉱山の探索・開発が行われていますが、既存の鉱山以外は採算性の面で大きな課題を有し、いまだに商業生産までにはいたっていません。また、ネオジム磁石に不可欠なジスプロシウム(Dy)などの重要な重希土類が含有されている鉱床は少ないようです。
一方、ベトナム、ミャンマーの東南アジアやブラジルには重希土類を含む高品位のレアアース鉱床があるため、国際的な連携の元での今後の開発が期待されます。ただし、ミャンマーやブラジルは政治的にも中国の影響力が大きいため、中国以外の国々がどのように主体的に関与してゆくのかが課題となります。
一方、日本は何といっても南鳥島沖のレアアース開発に大きな期待がかかります。まずは、深海5000m~6000mでのレアアース泥の採取とその商業化が急がれ、来年2026年1月には試験掘削が開始されます。政府や大学・研究機関の連携のもと、計画は漸次進められているようですが、なお一層のスピードアップが必要となります。また、今月に入り政府は米国との共同開発も視野に入れていることを発表していますが、早急に具体的プロジェクト発足を期待します。
磁石虎の巻!!
2025年11月4日配信
ネオジム磁石のすべて(24)<重希土類Dy含有量を減らす-2>
ネオジム磁石の耐熱性を上げるためには、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの重希土類をある程度含有させる必要があります。しかし、これらのDyやTbの濃度の高い原料鉱石は世界的に埋蔵量が少なく、しかも中国やマレーシアなどに偏在している問題があります。そこで各国のメーカー、特に日本メーカーはネオジム磁石中の重希土類をできる限り少なくする技術革新を急速に進めています。
<結晶の微細化と低酸素化技術>
国内各メーカーは十数年前から、ネオジム磁石の耐熱に関係する保磁力Hcjを低下させることなく、いかにジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)の含有量を少なくすることを考えてきました。各メーカーはその方法のひとつとして焼結体の結晶粒を微細化するとHcjが増大することに着目して技術開発を行いました。
そのために、まず焼結前の材料粉体の形状をできる限り微細にするという粉砕技術の改良をおこないました。但し、粉体を細かくすることは粉の表面積を増やすことなので、より表面が活性化して空気中の酸素と反応しやすくなり、酸化物が増加します。酸化物が増加すると、Hcjだけでなく、磁束密度も低下させます。したがって材料粉をより小さく細かくしながらも粉砕工程、成形工程、材料搬送で酸素量を徹底的に低く抑え、焼結体の結晶粒を小さくする技術を開発したのです(次図参照)。この技術によりDy量は約10~20%ほど低減できたといわれています。

ネオジム磁石の結晶微細化と低酸素化技術
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