ネオジム磁石
製品情報現在、世界で最も強力な磁石です。わずか数cmの大きさで、10kg以上の吸着力!アイデア製品、新製品開発に最適です。
サマコバ磁石
製品情報温度特性に優れているため温度安定性が要求される用途に適しています。防錆のための表面処理は不要です。
フェライト磁石
製品情報酸化鉄を主原料にしているため、低コストが重視される用途に向いています。錆の心配はありません。
表面磁束密度
吸着力計算ご希望の磁石の表面磁束密度、吸着力、限界使用温度などを計算いたします。径方向着磁にも対応いたしました。
磁石・磁気の
用語辞典磁石・磁気に関する用語解説集。専門書にも負けない豊富な内容で、初心者からプロまで幅広くご利用いただけます。
磁石の歴史
大昔の磁石、磁気科学の歴史、強力な磁石が出現した背景など多くの図表を使って解説しています。
磁石プロの視点
2025年5月1日
粉末コーティング技術の開発
<磁石プロの視点>
微粉砕された磁石材料粉末は成形され、その後焼結炉で密度の高い焼結体にされます。この焼結過程での結晶粒の制御がSm2Fe17N3磁石やNd2Fe14B磁石(ネオジム磁石)にとって非常に重要になります。
特に最近は粒界の制御が注目されていて、この制御は、”結晶粒の微細化”、”粒界歪の低減”、”液相焼結の推進”、”異種材料による主相の被覆”、”異種材料の主相への拡散”、等様々な目的に利用されています。本研究では、乾式薄膜技術を用いて粉末の表面に異種材料のナノ被膜をコーティングする技術を開発中であり、Sm2Fe17N3焼結磁石の実現やネオジム焼結磁石の性能向上に寄与するものと思われます。
磁石虎の巻!!
2025年5月配信
ネオジム磁石のすべて(13)<磁石の形状と磁束密度>
前回もお話をしましたように、あらゆる形の永久磁石の中では磁化と反対方向の磁場、つまり「反磁場」が必ず発生し、磁石の外側に現れる磁化(磁力線)を妨げ、その反磁場の大きさは永久磁石の形状によって左右されます。そして、磁石形状が磁化方向に厚い寸法ほど反磁場は小さくなり、反対に磁化方向に対して相対的に薄い寸法になるほど反磁場は大きくなります。
したがって、ネオジム磁石のような永久磁石の表面磁束密度や空間磁束密度をホール素子などにより詳しく測定すると、極面上の場所により数値が異なっていて、さらに、その傾向は磁石の形状によっても左右されることがわかります。
<表面磁束密度と空間磁束密度>
磁石の磁力(強さ)を表す尺度の一つとして、「磁束密度(Magnetic Flux Density)」という物理量があります。この磁束密度は、磁石の磁極から出る磁力線に垂直な単位面積あたりの磁束(磁力線)の数で表し、SI単位ではテスラ[T]または[Wb(ウェーバー)/m2]であり、CGS単位ではガウス[G]または[Mx(マクスウェル)/cm2]となります。このうち、磁石の磁極表面(ギャップ距離ゼロ)の磁束密度を「表面磁束密度(Surface Magnetic Flux Density)」といい、磁極からギャップ距離のある空間点での磁束密度を「空間磁束密度(Gap Magnetic Flux Density)」と呼んでいます。
表面磁束密度の値は、(1)永久磁石の残留磁束密度Br、(2)永久磁石の形状(パーミアンス係数)、(3)減磁曲線(J-H曲線)の角型性、(4)減磁曲線(B-H曲線)の直線性、等によって変わってきます。磁化方向の厚みが薄い磁石はパーミアンス係数が小さく、反磁場の影響が大となるのでBrの値が同じでも表面磁束密度の値は小さくなります。
空間磁束密度の値も表面磁束密度と同様に、磁石のBr、形状、減磁曲線の形状等によって左右されますが、磁石(磁極)表面からの距離によって大きく異なってきます。

テスラメーター(ガウスメーター)による磁束密度測定例