
ネオジム磁石
製品情報現在、世界で最も強力な磁石です。わずか数cmの大きさで、10kg以上の吸着力!アイデア製品、新製品開発に最適です。

サマコバ磁石
製品情報温度特性に優れているため温度安定性が要求される用途に適しています。防錆のための表面処理は不要です。

フェライト磁石
製品情報酸化鉄を主原料にしているため、低コストが重視される用途に向いています。錆の心配はありません。

表面磁束密度
吸着力計算ご希望の磁石の表面磁束密度、吸着力、限界使用温度などを計算いたします。径方向着磁にも対応いたしました。

磁石・磁気の
用語辞典磁石・磁気に関する用語解説集。専門書にも負けない豊富な内容で、初心者からプロまで幅広くご利用いただけます。

磁石の歴史
大昔の磁石、磁気科学の歴史、強力な磁石が出現した背景など多くの図表を使って解説しています。
磁石プロの視点
2025年12月1日
レアアースフリーで資源リスクを低減する新型モーターを開発
<磁石プロの視点>
近年、BEVやHEVの駆動用モーターとして、永久磁石内部配置型同期リラクタンスモーター・IPMSynRM(Interior Permanent Magnet Synchronous Reluctance Motor)が数多く採用されています。このモーターは、永久磁石内部配置型モーター(IPM)と電磁鋼板のスリットの磁気抵抗を利用した同期リラクタンスモーター(SynRM)を高度な磁気回路設計で組み合わせたモーターになります。
しかし、このIPMSynRMは永久磁石にはネオジム磁石のような高性能磁石が必要であり、レアアース資源問題に対しては将来の大きなネックとなっていました。
そこで、今回、自動車部品メーカーAstemoが発表した新型モーターは、ネオジム磁石の代替として酸化鉄を主原料にしたフェライト磁石を使ったIPMRynRMと、永久磁石を全く使わないSynRMを補助モーターとしてセットにした画期的なレアアースフリーモーターとなります。
Astemoは2030年の実用化を目指していますが、量産の目途がつけば、将来のBEV、HEVのみならず、各種産業用モーターに対するレアアース問題をクリアすることになり、大きな技術革新になるかもしれません。
ただし、高磁束密度のネオジム磁石を使わない本開発のようなIPMSynRMやSynRMは、どうしても単体の重量や容積が増えたり、補助モーターとの組み合わせが必要になり、システム全体の重量、容積が大きくなりがちで課題は残ります。したがって、将来、南鳥島近海のような大規模レアアース鉱床の開発、商業化が成功し、レアアース問題が解消するまでのつなぎの技術である可能性も捨てきれません。
磁石虎の巻!!
2025年12月12日配信
ネオジム磁石のすべて(26)
<重希土類Dy含有量を減らす-4>
ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの重希土類はネオジム磁石の耐熱性を高めるための有効な組成金属ですが、多くの希土類鉱石中の含有量が少なく、かつ濃度の高い鉱石の産出地が偏在していることなどが問題でした。そこで、ネオジム磁石の中の重希土類含有量を減らす様々な技術が開発されてきました。その中で、本サブテーマにおける前2回は、「結晶の微細化と低酸素化技術」と「熱間加工技術」についてお伝えしましたが、今回はトヨタ自動車が開発した「省ネオジム耐熱磁石」をご紹介します。このネオジム磁石は、重希土類をゼロにするだけでなく、ネオジム(Nd)そのものの含有量を減らすという画期的な技術になります。
<省ネオジム耐熱磁石開発の背景>
トヨタ自動車は、「高耐熱ネオジム磁石に必要な希土類(レアアース)の中でも希少な重希土類のDyやTbを使わないだけでなく、Ndの一部を、希土類の中でも安価で豊富なランタン(La)とセリウム(Ce)に置き換えることでNd使用量も削減した新開発磁石」を2018年2月に発表し、現在は実用化、量産化に向けての準備中の段階といえます。
Ndは、強力な磁力と耐熱性を保持する上で、大きな役割を占めており、単にNd使用量を削減して、LaとCeに置き換えただけでは、モーターの性能低下につながります。そこでトヨタは、LaとCeに置き換えても、磁力、耐熱性の悪化を抑制できる新技術の採用により、Ndを最大50%削減しても、従来のネオジム磁石と同等レベルの耐熱性能を持つ磁石を開発することに成功しました。
開発ポイントおよび新技術は、(1) 磁石を構成する結晶粒の微細化、(2) 結晶粒の表面を高特性にした二層構造化、(3) ランタン(La)とセリウム(Ce)の特定の配合比となります。
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